ホンダレーシング代表がレッドブルとのラストシーズンを前に意気込みを語る

ホンダレーシング代表取締役社長の渡辺康治氏は、ホンダF1参戦への意義や2025年シーズンへの意気込みを語った。
ホンダは1964年からF1参戦を始めている。この年は3レースに出場したが、いずれもリタイアに終わっている。しかし、翌1965年の最終戦メキシコグランプリでは、ホンダのマシン「RA272」が、見事に初優勝を果たす。2025年はその初優勝から60年の節目の年に当たる。
1965年10月24日 Honda F1初優勝(Silent Film)
www.youtube.comその後、経済状況などにも左右されながら、ホンダのF1への挑戦は、幾度となく中断を余儀なくされてきたが、2018年から始まったレッドブルとのコラボレーションでは、苦労が実を結び始める。
2019年オーストリアGPでのホンダF1第4期初優勝、2020年イタリアGPでのアルファタウリの優勝をはじめ、2023年には全22戦21勝というF1史上過去最高の勝率を上げるなど、数々の栄光を成し遂げてきた。
また、マックス・フェルスタッペン選手が2021年から4年連続ドライバーズチャンピオンを獲得するなど、ホンダの技術の入ったパワーユニット(以下、PU)が多くの貢献を果たしてきた。

2021年にドライバーズチャンピオンを獲得したマックス・フェルスタッペン選手。その後も2022年、2023年、2024年と4年連続チャンピオンを獲得した。
HRC代表の渡辺康治氏は「F1で使われる技術はそのまま製品に使えるものではないが、F1の現場を経験したエンジニアが、量産車の『e:HEV』の開発に携わるなど、ホンダ全体で新しい価値を生み出す原動力となっている」とF1参戦の意義を語った。
また、「2025年はレッドブルとのラストシーズンとなるが、チャンピオン獲得を目指し、最後まで2チームとともに全力で戦っていきます」とコメント。さらなる飛躍を誓った。
ちなみに2026年シーズンはアストンマーティンF1チームにPUを供給することが決まっている。車体もPUも新しいレギュレーションとなり、現在、エンジンとモーターの最高出力の比率はおよそ8対2だが、2026年にはほぼ5対5となり、単位時間に使用できる燃料の量も減少する。
また、燃料は100%カーボンニュートラル燃料が義務付けられる。さらに、こうした技術開発を一定のコスト制限の下で行う規則が適用されることになる。
これら3点の新レギュレーションは、F1のサステナブルな未来への志向に基づくものであり、ホンダが目指すカーボンニュートラルの方向性に合致している。
2026年に向けてPUの開発も始まっており、2024年にはHRC UKをイギリス ミルトンキーンズに設立し、すでに活動を開始している。