進化したセンサーの性能を活かしきる「背の高さ」
公共交通機関のドライバー不足や地域社会が抱える交通サービスといった、少子高齢化に伴うさまざまな課題は、待ったなし解決が求められています。日産は自動運転技術を活用することで、新しい交通サービスの提供を目指して取り組みを加速させています。

格段に広がったセンシングエリア、高精度の検出などによって、歩行者ほかの行動予測、合流車線変更判断、交差点侵入可否判断といった複雑なシーンでも、ドライバーレス走行が可能になっている。

実験車両には保安用のナビゲーターのみが乗車している。
今回の運行は、まさにその取り組みが新しい段階に入ったことの証と言えるでしょう。「遠隔型自動運転システム等を搭載した自動車の基準緩和認定要領」および「自動運転の公道実証実験に係る道路使用許可基準」に基づいて、遠隔型自動運転システムで実証実験を実施。日本初(日産調べ)の混走でのドライバーレス運行となりました。
注目すべきは、日産独自開発の自動運転実験車両が、従来の「リーフ」から「セレナ」にスイッチしていることでしょう。ルーフには、性能が向上したカメラ、レーダー、ライダーを搭載。高い車高を活かして検出エリアを格段に広げると共に、より高精度の検出が可能となっているようです。
また、車外環境の認識や行動予測による判断と制御機能も、AIを活用することでさらに進化しています。ルート上で遭遇しうるさまざまなシーンを検証するとともに、冗長性をもたせたシステム構成が異常時の即時停車機能を実現。これにより、車内に運転者がいない状況においても高い安全性を確保しながら、よりスムーズな走行を可能としています。
日産は今後、2025年度下期から2026年度にかけて、横浜市で約20台を運用する大規模なサービス実証実験の実施を予定しています。そこで得られた検証成果を活かし、2027年度には、遠隔監視設備を備えた自動運転レベル4によるモビリティサービスの提供を目指している、とのことです。

自動運転技術を活用して誰もが自由に移動できる新しい交通サービス「Easy Ride」の実用化を考慮して、無人での乗降シークエンスも搭載している。