2025年5月23日、 F1第8戦モナコGPがモンテカルロの市街地サーキットで開幕する。エミリア・ロマーニャGPで欧州ラウンドがスタート、そこから連戦で迎える伝統の一戦は、ほかとは多くのことが異なる特殊なグランプリとなる。これまで速かったドライバーが速いとは限らず、時に大きな波乱も起きる。通常のサーキットとはまったく性格が異なる市街地コースでどんなドラマが展開されるのか。なお、今年のモナコGPでは決勝レースで3種類のコンパウンドの使用が義務づけられることになった。

F1の最も純粋で華やかな「本質」を象徴する祭典

モナコGPはF1カレンダーの中でも最も象徴的で権威のあるイベントで、単にレースというだけでなく、華やかな社交イベントといった側面もある。初開催は1929年で、モータースポーツ史上最古のレースのひとつとして、ル・マン24時間レース、インディアナポリス500マイルレースと並んで、3大レースのひとつに数えられる。

画像: モンテカルロ市街地サーキットのコース図。全長3357mのコースは50年来ほとんど変わっていない。ストレート部分はほとんどなく、平均速度が非常に遅い。

モンテカルロ市街地サーキットのコース図。全長3357mのコースは50年来ほとんど変わっていない。ストレート部分はほとんどなく、平均速度が非常に遅い。

またモナコには、長い歴史だけでなく、神秘的な雰囲気もある。狭いコース幅、タイトコーナー、急勾配の上り下り、そして長いトンネルなど、コースにも他に類を見ない要素が数多くある。

モナコGPは技術的な観点から見ても特別なレースで、路面はグリップが小さく、ストレート部分がほとんどないため、平均速度は低く、しかも道幅が狭いのでオーバーテイクはきわめて難しい。結局のところ予選がきわめて重要だが、モナコは単なるレースではなく、F1の最も純粋で壮観な本質を象徴する祭典となっている。

ただ、予選がきわめて重要といっても、決勝が予選の結果どおりの単調なレースになるかというとそうとも言えない。セーフティカー導入の確率が高く、レース戦略と素早いピット判断で順位が入れ替わるなど、ドラマチックな展開となることも珍しくない。

モナコはチームにとってもドライバーにとっても重要なグランプリだが、その特殊なコース設定に合わせてクルマを開発し直すわけにはいかず、最後はドライバーの腕頼みとなるところも興味深い。

今シーズンはここまでマクラーレンが7戦5勝と他をリードしているが、前戦エミリア・ロマーニャGPではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がアップデート。速さを取り戻した感があり、連戦となるここでどんな走りを見せるのか、注目される。

2025年F1ドライバーズランキング(第7戦終了時)

1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン) 146
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)133
3位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)124
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)99
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)61
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)53
7位 12 K.アントネリ(メルセデス)48
8位23 A.アルボン(ウイリアムズ)40
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12位 22 角田裕毅(レッドブル)10

2025年F1コンストラクターズランキング(第7戦終了時)

1位 マクラーレン 279
2位 メルセデス 147
3位 レッドブル 131
4位 フェラーリ 114
5位 ウイリアムズ 51
6位 ハース 20
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8位 レーシングブルズ 10

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