このクラスのベンチマークであるゴルフを上回っている

リアコンビネーションランプの形状がユニークだ。全幅は1823mmあり、Cセグメントとしてはけっこうワイドだ。
タイでの国際試乗会というのは経験がなかったが、ワインディングロードは予想以上にトリッキーで楽しく、また高速道路は空いていて整備されている。路面状態は良いとはいえないが、ニューモデルの評価にはもってこいの適度なアンジュレーションだ。しかも今回はポリス エスコートが付いて超法規な走行も許された。峠道はエスコート車を追い回すほどガンガン攻め、高速道路では200km/h前後のクルージングもできたほど。
その印象だが、まず室内は静かで乗り心地が良くフラットライドだ。トルクベクタリング機能を備えているおかげで、FFとは思えないライントレース性能を発揮した。突起を乗り越えるハーシュが小さく、専用開発のミシュランタイヤのおかげでロードノイズも低い。
そしてシートはサポート性が高く座り心地も良い。メーカー&サプライヤーのコラボがしっかり成功している結果だろう。リアシートにも乗ってみたが、驚くほどノイズレスで突き上げも少ない。このクラスのベンチマーク的存在であるゴルフを上回っているといっても過言ではないだろう。
超高速域の安定性も素晴らしい。ニュートラル域の座りが極めて良く200km/h走行でもきっちり真っ直ぐ走る。Cd値はクラストップレベルの0.287だが、これはアクティブグリルシャッターと呼ばれる、ラジエター前に設置されたシャッターを高速域で閉じることによりドラッグ(空気抵抗)を低減するシステムの効果もある。ドラッグの小さい低速域では、しっかりと開けて冷やすのだ。新しいフォーカスは、魅力に満ちたスポーツコンパクトに成長していた。日本への導入が楽しみだ。

センターダッシュのダイヤルでオーディオなどをコントロールする。ミッションは6速のパワーシフトATと呼ばれるDCT。
フォード フォーカス スポーツ(日本仕様) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4370×1810×1480mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1380kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1998cc
●最高出力:125kW(170ps)/6600rpm
●最大トルク:202Nm(20.6kgm)/4450rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・55L
●JC08モード燃費:未発表
●タイヤサイズ:215/50R17
●当時の車両価格(税込):293万円