序盤からアクシデント、トラブル連発の大波乱
秋の第11戦まで続くグラベル連戦のふたつ目は、序盤からアクシデントの連続となった。

アクシデントに苦しんだヒョンデ勢。それでも金曜日の時点では、アドリアン・フルモー、オィット・タナックが2-3番手につけていた。
予想通りに先頭スタートのエルフィン・エバンス(トヨタ)がSS1から砂利の掃除役となって大きくタイムロスする展開で始まった金曜日のデイ1、続くSS2ではMスポーツ・フォードの3台がアクシデントで全滅。同じステージの再走となるSS5では、そこまで首位だったティエリー・ヌーヴィルがリアをヒットしてデイリタイア、勝田も転倒を喫してしまう。
初日を終え、首位に立ったのは3番手スタートながら流石の走りを見せたオジェ。これにアドリアン・フルモー(ヒョンデ)が僅差でくらいつき、チームメイトのタナックがそれを追う展開となった。
土曜日、今度は大健闘していたフルモーにアクシデントが遅いかかる。午前中最後のステージとなるSS9で派手にコースアウトし、これで表彰台圏外へ脱落。午後のSS11では転倒も喫してデイリタイアとなってしまった。
オジェとタナックの一騎打ちとなった優勝争いは、タナックがスローパンクチャーなどを喫したこともあってややオジェ優位で展開。11.1秒差で土曜日の走行を終えた。
オジェが今季3勝目、スーパーサンデーはロバンペラが制す
そして迎えた最終日、オジェは一気に勝負を決めるべくSS13、SS14でいずれもタナックを上回るタイムをマーク。タナックもSS15で反撃のベストタイムをマークするもその差は17.2秒と広がった。

WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディーニャを制したセバスチャン・オジェ(左)とヴァンサン・ランデ(トヨタ GRヤリス ラリー1)。最終日のステージの路面コンディションはドライ。距離は短くともマシン、ドライバーにとっては非常に苛酷な一日となった。
だが、迎えた最終ステージではオジェにもアクシデントが襲いかかる。ステージ中盤の右コーナーで轍にはまりコースアウトを喫してしまったのだ。
それでも百戦錬磨のオジェは冷静だった。静かにギアをリバースに入れてコースに戻ると、何事もなかったかのように走行を再開。タナックに対しわずかなタイムロスのみでGRヤリスをフィニッシュまで運び、前戦ポルトガルに続く2連勝、今季3勝目を達成した。
日曜日単独のリザルトとパワーステージはいずれもロバンペラが1位を獲得。これでドライバーズランキングでは4位に終わったエバンスの133点に対し、オジェが114点、ロバンペラが113点、タナックが108点というオーダーとなった。
一方、マニュファクチャラーズ選手権ではトヨタがヒョンデとのポイント差を69点に広げている。

3位に入ったカッレ・ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)。最終のパワーステージでは2番手タイムのライバルに8.1秒差をつけてベストタイムを記録。スーパーサンデーでも1位を獲得したことにより、ボーナスポイントをフルに加算した。