アルピーヌ レーシングの技術が盛り込まれた「究極のA110」
アルピーヌA110は、1970年代の伝説の名車「アルピーヌA110」を最新の技術で蘇らせて登場した2シータースポーツカー。1.8L直4ガソリンターボをミッドに搭載し後輪を駆動するライトウエイトスポーツで、2017年のジュネーブトーサロンで世界初公開されて大きな反響を呼び、日本には2018年7月から導入されて抽選販売となる人気モデルとなった。

アルピーヌ A110史上最も高性能な「アルピーヌ A110 R ウルティム」。最高出力325psまでパワーアップされた1.8L直噴ターボエンジンだけでなく、シャシ、サスペンション、エアロダイナミクスも最新のレーシング技術でチューンされている。
その後、2019年にA110 S、2021年にA110 GT、2022年にはA110 Rを追加、2025年4月にはブランド創立70周年を記念した「A110 R70」「A110 アニバーサリー」が導入されるなど、独自の進化を続けている。
今回、世界限定110台で登場した「A110 R ウルティム」は、その車名が示すとおり、究極のA110という位置づけ。1.8L直噴ターボエンジンは、高性能スパークプラグ、鍛造ピストン、強化コンロッドなど、 A110 GT4レースマシンで使用される専用キットで強化され、軽量で大径化された新設計のタービンの採用で過給効率とレスポンスを大幅に向上させている。
これらの変更に合わせたECUマッピングの最適化によって、最高出力は325ps、最大トルクは420Nmにパワーアップ。トランスミッションは専用マッピングとチューニングが施された新開発の6速DCTが組み合わされる。
サスペンションにも専用チューニングが施され、4輪すべてに車高調整機能と伸縮2ウェイ減衰力調整機能付オーリンズTTXダンパーを採用。ブレーキシステムはAPレーシング製バイマテリアル330㎜ディスクを組み合わせたレーシング仕様で、新デザインの専用鍛造ホイール(前18インチ/後19インチ)と専用開発のミシュラン パイロットスポーツ カップ2タイヤが装着される。

エアダクト付フロントボンネットは軽量なカーボン製で、空力性能の向上にも貢献している。
エアロダイナミクスも見直され、フレキシブルフリップ フロントスプリッター、フロントバンパーフィン、エアダクト付ボンネット、リアには新設計のリアスポイラーとダックテールスポイラーを装備し、高速域で車体を安定させる大きなダウンフォースを得ている。
また、徹底的な軽量化も図られ、アルミシャシ、アルミボディ、カーボン製のフロントボンネット、ルーフ、リアフード、リアスポイラー、アクラポヴィッチ製チタンエキゾーストなどにより、車両重量は1120㎏に抑えられている。
「A110 R ウルティム」の開発プロジェクトは、当初はプロトタイプのみが作られる計画で始まったが、その後「唯一無二の究極のロードゴーイングカーを作ろう」という情熱により市販化へ向けたプロジェクトへと発展。このプロジェクトの実現に向けて、「A110 R ウルティム」には、アルピーヌ レーシングのレースを通じて培ってきた技術が生かされている。