ついに日本市場にデビューした、ID.ファミリーの第2弾
ID.バズは、1950年に量産を開始して「ワーゲンバス」の愛称で永年親しまれたフォルクスワーゲン タイプ2（Type 2）のヘリテージを継承しながら、新たなフォルクスワーゲンのブランドアイコンとなるべく開発された唯一無二のフル電動ミニバンだ。2017年にコンセプトカーとして登場してから日本導入が期待されていたが、2022年に日本仕様が発表されたフル電動SUVのID.4に続くID.ファミリーの第2弾として、いよいよ導入が開始される。
日本仕様は「Pro」グレードを設定。ノーマルホイールベースが6人乗り、ロングホイールベースが7人乗りとなる。パワートレーンはどちらも、最高出力210kW （286ps）、最大トルク560Nmを発生する電気モーターが後輪を駆動する。WLTCモードでロングホイールベースモデルが554km、ノーマルホイールベースが524kmを達成。
そのスタイリングは、タイプ2のDNAを受け継いでいる。ショートオーバーハングのプロポーションやフロントフェースに冠された特大のVWロゴ、現代風にアレンジされたクラシックなスライディング ウインドー、そしてツートンカラーの色分けのラインにもなっているヘッドライトの間にV字型のフロントパネルを備えた象徴的なフロントフェースなど、細部にわたり貫かれたアイコニックなデザインエレメントは、時代を超えて愛されてきたワーゲンバスのデザインをオマージュしたものだ。
日本仕様は、2-2-2のレイアウトを採用し2列目センターをウオークスルーとした6人乗りノーマルホイールベース仕様（以下、NWB）と、2-3-2のレイアウトでホイールベースを約250mm伸長した7人乗りロングホイールベース仕様（以下、LWB）の2種類を設定。いずれもスペースを最大限に活用したインテリアが特徴で、乗員と荷物のための広大なスペースが創出されている。LWBの荷室積載量は最大2469Lと広大で、脱着可能な3列目シートにより、さまざまなアレンジが可能。いずれもスライドドア＆テールゲートはイージー オープン＆クローズ機能が搭載されている。
運転席からの見晴らしは三角窓を採用していることもあって開放的だ。カラフルなインテリアカラーで派手な印象を受けるかもしれないが、全体的なデザインはシンプルで機能的だ。
駆動用バッテリーは、NWBが84kWh、LWBが91kWhで、140〜150kWの急速充電に対応する。電気モーターのパワースペックは、いずれも最高出力210kW（286ps）と最大トルク560Nmを発生し、後輪を駆動する。バッテリーをフロアに統合することで優れた重量配分と低重心化を実現。さらに、空力性能を追及し、Cd値（空気抵抗係数）は0.285（欧州仕様）を達成している。
トラベルアシストやレーンアシストといった最新の運転支援システムも標準装備。グレードは、ステアリングヒーターなどを標準装備する6人乗りのNWBが「プロ（Pro）」、LEDマトリックスヘッドライトやリラクゼーション機能（運転席＆助手席）、20インチ アルミホイールなどを標準装備する7人乗りのLWBが「プロ ロングホイールベース」となる。
車両価格（税込）は、プロが888万9000円、プロ ロングホイールベースが997万9000円となっている。フォルクスワーゲンが満を持して送り込むフル電動ミニバンのID.バズが、日本のLLサイズ ミニバンにどう挑んでいくか、今後の展開が楽しみだ。
ロングホイールベース。3列目シート用のスペースに余裕が生まれ、最大2469Lの収納スペースを確保している。
フォルクスワーゲン ID.バズ プロ＜プロ ロングホイールベース＞ 主要諸元
●全長×全幅×全高：4715＜4965＞×1985×1925mm
●ホイールベース：2990＜3240＞mm
●車両重量：2550＜2720＞kg
●モーター：交流同期電動機
●最高出力：210kW（286ps）／0-3581rpm
●最大トルク：560Nm（57.1kgm）／2100−5500rpm
●バッテリー総電力量：84＜91＞kWh
●WLTCモード航続距離：524＜554＞km
●駆動方式：RWD
●タイヤサイズ：前235／55R19、後255／50R19＜前235／50R20、後265／45R20＞
●車両価格（税込）：888万9000円＜997万9000円＞
フォルクスワーゲン ジャパンのイモー・ブッシュマン ブランドディレクターとID.Buzz。
