マリナーの職人達を悩ませたキャンディピンクのボディカラー
アメリカに住むベントレーフリークの女性がこう言った。「こんど手にいれるベンテイガEWBアズールを、自分の好きなキャンディピンク仕様にしたい」。ベントレーのビスポーク(注文受注)部門マリナーでは、460億通りものカラーとトリムの組み合わせがある。マリナーの職人たちの腕がなった。

ブラックのアクセントが、キャンディーピンクのボディカラーを引き立たせる。
ただし、キャンディピンクのボディカラーは悩ましかった。ボディカラーは111色と豊富だが、ピンクは例外だったのだ。しかし、マリナーの職人たちはこれまでの知識を総動員して、キャンディピンクのボディカラーにブラックのアクセントラインが施されたエクステリアを作り上げた。
ドアハンドルの一部をはじめエキゾーストテールパイプ、ブライトウェア、ランプベゼル、マトリックスグリルとロアグリル、ルーフレール、ウイングはすべてグロスブラック仕上げとされたことも、キャンディピンクを際立たせている。
インテリアもエクステリアのイメージを引き継ぐ。シートやセンターコンソール、ドア、シフトレバー、ステアリングなどの一部にキャンディピンクと同系の桜色のレザーがあしらわれ、ブラック基調のインテリアを引き立たせている。
そして、ベントレーウイングをはじめインテリアの所々に施された刺繍の糸や100%ピュアウールのディープパイルフロアマットの縁取りにキャンディピンクが用いられていることも忘れてなならない。

ブラック基調のインテリアに桜色のアクセントがほどよく調和する。
ところで、キャンディピンクの「ベンテイガEWBアズール」の製作にどれほどの時間が割かれたのだろう。ベントレーによると、総時間は約132時間だそうだ。その内の24時間がボディカラー塗装に使われ、18時間がインテリアのトリムやウッドセットなどに費やされた。
このマリナー職人達の技に、顧客の女性が大いに満足したことは、もはや言うまでもないことだろう。