ブリヂストンの新作「BLIZZAK WZ-1(ブリザック ダブルゼットワン)」は、スタッドレスとしては初めて独自のタイヤ設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)を採用。基本性能をキープしながら、求められる性能「エッジ」を伸ばしている。目指したのは冬用タイヤとしての氷雪性能に加えて、夏用タイヤもびっくりのドライ/ウェット性能。夏真っ盛りの横浜を舞台に、そのグレードアップぶりを確かめることができた。

夏用タイヤが青ざめる安心感と快適性を、比べて実感

試乗メニューもなかなかに挑戦的だ。一般道の同じコースを使って、同じ車両で同社の夏タイヤと比較させてくれたのには、少々驚いた。コスパ重視のベーシックタイヤとはいえ、純粋な夏タイヤとして開発されているNEWMO(ニューモ)と、乗り心地や静粛性を比べることができるあたり、やはり並々ならぬ自信があるらしい。

画像: じりじりと肌を焼くような日差しの強さは、路面温度もしっかり上昇させるという。本来のスタッドレスタイヤなら剛性感を失ってしまいそうな条件だが、WZ-1はまったくもってへこたれるそぶりすら見せない。

じりじりと肌を焼くような日差しの強さは、路面温度もしっかり上昇させるという。本来のスタッドレスタイヤなら剛性感を失ってしまいそうな条件だが、WZ-1はまったくもってへこたれるそぶりすら見せない。

画像: アウディQ5のようにしっかり重量のあるSUVに履かせても、不安感はまったくなし。ステアフィールは車線変更時なども含めてやや軽快さが強調されている印象があったが、そのあたりはクルマ自体のキャラクターによるものだろう。

アウディQ5のようにしっかり重量のあるSUVに履かせても、不安感はまったくなし。ステアフィールは車線変更時なども含めてやや軽快さが強調されている印象があったが、そのあたりはクルマ自体のキャラクターによるものだろう。

加えて、新横浜周辺の公道を巡る一周20分ほどのコースはそこかしこに大小のアンジュレーションがあるため、タイヤにとってはなかなかにシビアなテストコンディションだ。ましてや試乗車はレンタカー仕様のヤリスハイブリッド。いろんな意味で自然体のベーシックカーだけに、タイヤの良し悪しがより顕著に感じられるだろう。

まずは、NEWMO装着車で一周してみた。ここでは多くを語るまい。次に、WZ-1装着車に乗り換える。走り出してすぐに一時停止。と、ここで思わず、同乗した開発メンバーに聞いてしまった。「これ、ホントにおんなじクルマですか?」

なにしろ、ブレーキの効き具合がまったく違う。NEWMO装着車に乗っている感覚を保ったままでブレーキペダルを踏み込んだら、思いのほか力強く制動力が立ち上がってちょっとびっくりしてしまったのだった。

同様の「不思議なグレードアップ感」は、その後も続いた。正直を言えばこと乗り心地に関して、NEWMOで走っている時はたとえレンタカーでもあまり借りたくないな、と思うレベルだった。それはタイヤ単体ではなく、クルマとしても「あんまり欲しくなーい」ほど印象がよろしくなかった。

だがWZ-1装着車は、荒れた路面でのザラついた乗り味が、とてもスムーズに感じられたことにまず驚く。加速時のトラクションの立ち上がりや交差点での右左折でも反応がよりナチュラルなのも嬉しい。

わかりやすく表現するなら、常にリラックスした気分で走ることができる、と言っていいだろう。タイヤを替えるとクルマが変わるのは経験値でわかってはいるけれど、改めてその「威力」を実感したのだった。

一般道を使ったドライ路面試乗では、もう1台、アウディQ5 のTDIモデルを比較的長い時間、試すことができた。こちらはWZ-1装着車のみでのテストだったが、80km/h制限の有料道路を流している限りは直進性、車線変更時の安定感などに不安を覚えることはない。ACCでの追従時の加減速感やLKAのトレース性にも優れており、やはり非常にリラックスしたドライビングを楽しむことができた。

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