ポルシェ、プジョーとの三つ巴の首位争いを制したアルピーヌが優勝
前日に行われた予選ハイパーポールでは、12号車キャデラックが圧倒的なタイムでポールポジションを獲得。2番グリッドに38号車キャデラック、3番グリッドに009号車アストンマーティンが続き、フェラーリ、ポルシェ勢は中団につける展開に。
迎えた決勝、心配された降雨もなく順調にスタートを切った富士6時間だったが、接触やアクシデント、バーチャル・セーフティカー、フルコースイエローが相次いで、どのチームも大きなリードを築けないまま、終盤までどのチームが勝ってもおかしくない激戦となった。
序盤こそポールスタートの12号車キャデラックが首位を快走したが、99号車ポルシェ、93号車プジョー、50号車フェラーリ499P、35号車アルピーヌ、6号車ポルシェ、94号車プジョーなど次々と上位が入れ替わる混戦となり、僅差のまま最後の1時間に突入していく。
首位争いがトップ3の35号車アルピーヌ、6号車ポルシェ、93号車プジョーの3台に絞られて行く中、最後のピットストップで勝負に出た35号車アルピーヌは左側2輪のみのタイヤ交換でピット時間を短縮。これでトップに立った35号車アルピーヌは、ここから2位とのギャップをさらに広げて一気に逃げ切り体制に入る。
一方、最後のピットストップを終えて2位につけた93号車プジョーは、ペースアップに苦しみ6号車ポルシェからプレッシャーを受けたものの、なんとか凌ぎ切って、35号車アルピーヌに続いて2位でゴール、3位は6号車ポルシェとなった。その後ろも大混戦で、4位は5号車ポルシェが入った。
このレースでタイトル確定の可能性があったフェラーリはポイントを伸ばせず、ポルシェが3位、4位に入ったため、マニュファクチャラーズ部門、ドライバー部門ともに、王者決定は最終戦に持ち越しとなった。

9番グリッドから逆転優勝を達成した35号車アルピーヌA424(アルピーヌ・エンデュランス・チーム)。ポール・ループ・シャタン/フェルディナンド・ハプスブルク/シャルル・ミレッシ組は激戦を見事な戦略で制した。