波乱の兆しが漂ってきたチャンピオン争い
前戦第19戦アメリカGPではレッドブルのマックス・フェルスタッペンとマクラーレンのランド・ノリスの一騎討ちとなると思われたが、スタートでソフトタイヤを選択したフェラーリのシャルル・ルクレールが2番手に浮上。ルクレールを抜きあぐねたノリスはなんとか2位の座を奪い返したものの、フェルスタッペンを追いつめることはできず完敗。
一方、チャンピオン争いのトップを走るマクラーレンのオスカー・ピアストリは、週末の悪い流れを断ち切れず、スプリントでのリタイアに続き決勝でも5位でフィニッシュ。
その結果ドライバーズランキングはピアストリが346点、ノリスが332点、フェルスタッペンが306点と混戦模様になってきた。
マクラーレンのチームメイト同士の戦いとなっていたチャンピオン争いは、なになやら波乱の兆しも漂ってきた。

前戦アメリカGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン。ドライバーズランキングは、マクラーレンのふたりに急接近、タイトル争いに加わる勢い。
【参考】2025年F1第19戦アメリカGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)56周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) ++7.959s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+15.373s
4位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+28.536s
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+29.678s
6位 63 G.ラッセル(メルセデス)+33.456s
7位 22 角田裕毅(レッドブル・ホンダRBPT)+52.456s
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(キックザウバー・フェラーリ)+57.249s
9位 87 O.ベアマン(ハース・フェラーリ) +64.722s
10位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+70.001s
【参考】2025年F1ドライバーズランキング(第19戦終了時)
1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)346
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)332
3位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)306
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)252
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)192
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)142
7位 12 K.アントネリ(メルセデス)89
8位 23 A.アルボン(ウイリアムズ)73
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16位 22 角田裕毅(レッドブル)28
【参考】2025年F1コンストラクターズランキング(第19戦終了時)
1位 マクラーレン 678
2位 メルセデス 341
3位 フェラーリ 334
4位 レッドブル 331
5位 ウイリアムズ 111
6位 レーシングブルズ 72
7位 アストンマーティン 69
8位 キックザウバー 59
標高が高く空気が薄いため車両のセットアップが難しいサーキット
では、メキシコGPが行われるアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキット(Aut dromo Hermanos Rodriguez)はどんなコースなのだろうか。
1周4304mに17のコーナーを持つこのサーキットの最大の特徴は、標高約2300mの高地に位置するため空気が薄いこと。空気抵抗の減少によりスピードが上がる一方で、ダウンフォースが減少するためグリップが低下しブレーキに負担がかかるなど、車両のセットアップとマネジメントが極めて難しい。また、2本の長いストレートではブレーキング時にタイヤ温度が低下しやすく、ロックアップに注意が必要となる。
さらに、酸素が少ないためエンジンの燃焼効率も低下。ドライバーにとっても体力的に大きな負担となる。
もともと野球場があった場所を生かして設計し直されたことがうかがえるフォロ・ソロ・スタジアムセクションが有名だが、長い直線2本があるセクター1、中速コーナーが連続するセクター2、低速コーナーが中心となるセクター3で構成されるコースレイアウトは、さまざまな要素が組み合わされている。なお、ピットレーンは650mと長くピットでのタイムロスは大きい。
路面は比較的滑らかでグレイニング(表面剥離)が起きやすいためタイヤマネージメントが重要と言われるが、昨年は軽度のグレイニングとわずかなデグラデーションのみで、ほぼ全ドライバーが1ストップ戦略を採った。

アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス・サーキットのコース図。全長4304mのコースには、長いストレート、中速コーナー、低速コーナーなど、さまざまな要素が盛り込まれている。