どうして熱気球はここまで人を惹きつけるのか。パイロットやクルーに話を聞いた

株式会社ジャパンバルーンサービス町田 翔吾さん(左)とThe Aero-Libertines クルー田栗 康朗さん(右)

バルーンファンタジアの主役のひとりと言えるのがASIMO号(実は2代目)である。浮かんでいると腕や手、そして足が動きとてもかわいらしい。これは勝手な想像だが、このイベントでスマホのカメラを向けられた熱気球だろう。パイロットは町田翔吾さん。
幸運にも「Honda ハート号」で飛びながら、パイロットの越井 馨さんの話が聞けた。
「風は高さで吹く向きや強さが違うのでそれをちゃんと読むことで行きたい方向に正確に飛ぶことができるのです」と熱気球が進む仕組みを教えてくれた。
つまり風を読み、その風にいち早く乗るのが熱気球競技。気球の立ち上げに時間がかかっているようでは好成績は望めないのである。そのために一発で始動するインフレーターが勝つために必要となる。今回見たチームのほとんどがGXシリーズを使用していたが、それこそがその証ではないだろうか。
「Dream ドローン号」は、佐賀県唐津市立浜崎小学校で児童たちに初お披露目

2024年バルーンデザインコンテストで最優秀賞に選ばれた中村さん(当時3年生)のイラストが描かれたDream ドローン号。

Dreamドローン号
Hondaが8年ぶりに新調した熱気球は、全国から応募された3316作品の中から唐津市の小学3年生(当時)の中村僚さんのデザインが採用され「Dream ドローン号」と名付けられた。その初お披露目は、強風で校庭が使えなかったため、急遽、体育館で行われ4年生約220名が参加した。
ところで新デザインとなった「Dream ドローン号」は、佐賀IBFの前に佐賀県唐津市立浜崎小学校で児童たちに初お披露目された。ここは、2024年に佐賀新聞社とHondaが開催したバルーンデザインコンテストで最優秀賞に選ばれたイラストを描いた中村さんが通う学校である。
当日は、風が強くて校庭で熱気球を立てることができなかったが、eGXを持ち込んでいたことで、体育館で熱気球を膨らませることができたという。静かで、排出ガスもなく室内でも気兼ねなく使えるというのもメリットである。GXシリーズは、ガソリンを持ち運び使うため、室内にはあまり向いていない。
話は変わるが、現在の佐賀市の人口は約22万5000人。しかし佐賀IBFには、それをはるかに超える観客がやってくる。近県の福岡や大分はもちろん、日本全国からここに来るのである。大会期間中は博多駅から臨時のバルーン佐賀駅までの特急電車、市内からのシャトルバスが早朝5時台から稼働していた。
私もこのイベントに佐賀駅や博多駅から通ったが各駅の賑わいは想像を遙かに超え、佐賀IBFの人気の高さを実感するとともにHondaがこうした大人気イベントを長く支えていることに歓びを隠せなかった。
