
2025佐賀インターナショナルバルーンフェスタ。佐賀市の人口約22万5000人を超える観客が集まって熱気球を楽しむ。
1993年から開催される熱気球ホンダグランプリ
佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(佐賀IBF)は、1980年に始まり、今年で46年目となる熱気球の大会である。実はそこにHondaが大きくかかわっているという。熱気球とHondaがどのように繋がっているのかを紐解くのが今回のメインテーマである。そこで今回、佐賀IBFを取材した。
Hondaが熱気球競技のサポートを始めたのは、1990年の佐賀インターナショナルバルーンフェスタからである。そして1993年には「熱気球ホンダグランプリ」という名称で年間のシリーズ戦を開始している。

11月最初の3連休や好天に恵まれたことで、もっとも多くの人で賑わったのは11月2日(日)で26万人以上が来場、飛行気球数が一番多かったのもこの日でその数は124となった。11月1日には、1980年からのこのイベントの累計来場者数が3000万人を超え、記念イベントも開催された。
佐賀IBFの見どころは、アジア最大の大会で100機以上の熱気球が空に浮かぶ、圧巻の一斉離陸だが、他にもさまざまな形の熱気球を近くで見ることができるバルーンファンタジアも楽しむことができるところ。

メインとなる河川敷のバルーンフェスタ会場と並ぶ人気スポットが嘉瀬川の対岸。多くの人がカメラを構える。
Hondaはここで、競技に参加する Hot Air Balloon Racing Teamの「Dream ドローン号」、バルーンファンタジア参加の「ASIMO号」、そしてオフィシャルの「Honda ハート号」の3機の熱気球を飛ばしている。

オフィシャルバルーンのHondaハート号前に集まったのは会場のゴミ拾いなどをしてイベントを支えるボランティア。
GXやeGXパワーユニットが熱気球イベントを支えている
ここでは、ほとんどの熱気球チームがHondaのパワープロダクツ、空冷4ストローク単気筒OHVガソリンエンジンのGXシリーズをインフレーターとして使用していることがわかった。また「ASIMO号」と「Honda ハート号」は一体型電動パワーユニットeGXを使っていた。

9割以上のバルーンチームはインフレーターに4ストロークエンジンのGXシリーズを使っていた。写真は出力3.6kWのGX160。
インフレーターとは、熱気を気球に送り込む装置で、熱気球を立ち上げるために絶対必要なのである。そのインフレーターに、ほとんどのチームがGXシリーズを選んでいる。その理由は、始動性、耐久性にあるという。
さらに熱気球の場合、農繁期などは飛ばせないので、インフレーターを使う期間が空いてしまうのだが、そんな時の再始動性の高さもHondaのGXシリーズに大きな強味があると熱気球に携わる多くの人が口を揃えてコメントしている。

モーターユニットとバッテリーパックを一体化したGXE2.0H(eGX)。始動はスイッチを2回押すだけ。最大出力1.8kW、最大トルク5.6Nm。

会場を訪れた坂井英隆佐賀市長はHondaの一体型電動パワーユニットeGXに興味を持ったようで熱心に説明を聞いていた。
