標準仕様では難しかった高速での踏破性能をプラス
先日もはるか遠い南アフリカの地で、そんな喜びを噛み締めてきた。相棒を務めてくれたのは、ディフェンダーのフラッグシップモデル「OCTA」である。
最高出力635psの4.4L V8ツインターボエンジンを搭載し、足もとを6Dダイナミクスエアサスペンションシステムで固めたディフェンダー OCTA(以下、OCTA)で走った距離は700km以上。そのなかには、ひとが登るのもやっとというような岩場や、歩くにも不自由するほど柔らかな砂地などがあったけれど、OCTAはどんな路面でも抜群のトラクションを発揮し、スタックすることなく全行程を走り切ったのだ。

2.5トンを超えるヘビー級ボディでありながら、V8ツインターボエンジンを搭載して、0→100km/h加速4.0秒という俊足を実現する。
もっとも、これだけであれば、スタンダードなディフェンダーでも同じように走破できただろう。ただし、従来のディフェンダーではおそらく難しかっただろうと思われる走行メニューも含まれていた。実は今回の試乗コースの大半が、高速で駆け抜けるダート路で占められていたのだ。
考えうる、ありとあらゆる悪路を走破できる性能を持つディフェンダーではあるが、もともとランドローバーのモデルたちは比較的ゆっくりとした速度でオフロードを走行することを想定している。荒れた路面を素早く走り抜けようとすれば、ボディが大きくバウンスして車体を岩などに打ち付けてしまう恐れがあるからだ。

6Dダイナミクスエアサスペンションシステムはハンドルのシグネチャーロゴボタンから設定変更できる。
「もしも人里離れた場所でクルマにダメージを与えて走行不能に陥れば、命を落としかねない。だから、悪路では速度を落とし、慎重に走りきらなければならない」という言葉を、私はランドローバーの国際試乗会で何度となく耳にしてきた。そしてオフロードを走るときには、その掟を厳格に守り続けてきたのである。
しかし、OCTAの試乗会で硬く締まったダート路を走るときだけは話が違った。私たちを先導するインストラクターはゆったりとツーリングするのではなく、乾いた路面からもうもうと砂煙を巻き上げるくらいの猛スピードまでペースを上げて走り出したのだ。しかも、南アフリカ北部のこの地域は車載のナビゲーションシステムが対応しないので、追従するクルマたちもそのペースに合わさざるを得ず、まるで高速道路を行くかのようなスピードでOCTAを走らせることになったのである。
