2012年1月、ワールドプレミアから2年近くたって、ようやくアルファロメオ ジュリエッタが日本に上陸した。アルファロメオのラインナップとしては「147」の後継にあたるが、名車「ジュリエッタ」が復活したことで日本でも大きな注目が集まった。アルファロメオはこの「ジュリエッタ」にどんな魅力を盛り込んでいたのか。今回は上陸間もなく開催された国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年3月号より)

初代ジュリエッタから数えて3代目、アルファ147の後継として登場

アルフィスタ、とくにアルファ147オーナーからすれば、まさに「待ち焦がれた」という表現が一番しっくりとくるのではないだろうか。

2010年3月のジュネーブオートサロンで世界初公開、その5月にはヨーロッパで順次発売が開始された新型ジュリエッタ。発売当初はマニュアルトランスミッションのみで、デュアルクラッチの「アルファTCT」搭載車が登場したのが昨2011年初夏だったこともあり、日本への上陸にここまでの時間がかかってしまったようだ。

1954年にデビューし、大ヒットモデルとなった初代ジュリエッタから数えると、名前の上では今モデルで3代目となる。実質はアルファ147の後継となるCセグメントモデルで、そのボディサイズは147と比較すると全長では+125mm、全幅で+70mmとそれぞれ拡大。さらにホイールベースも+90mmの2635mmと延長されている。また147と同様、後ろドアハンドルがCピラー内にデザインされているため、5ドアながらスタイリッシュな3ドアハッチバック然とした印象を醸し出している。

搭載されるエンジンは2種類。170ps/230Nmを発生する1.4Lターボ+6速TCTと、「1750」と呼ばれる235ps/300Nmの出力を誇る1.75Lターボ+6速MTの組み合わせとなる。前車は装備違いで「スプリント」「コンペティツィオーネ」、後車は「クアドリフォリオ ヴェルデ(QV)」と、日本では3グレードでの展開だ。

画像: 「147」の後継となるCセグメントハッチバックとして登場したアルファロメオ ジュリエッタ。後ろドアハンドルをCピラー内にデザイン。5ドアながらスタイリッシュな3ドアハッチバック然とした印象を醸し出している。

「147」の後継となるCセグメントハッチバックとして登場したアルファロメオ ジュリエッタ。後ろドアハンドルをCピラー内にデザイン。5ドアながらスタイリッシュな3ドアハッチバック然とした印象を醸し出している。

「アルファロメオらしい」一面は高速道路走行で発揮

6速TCTを採用するコンペティツィオーネに乗る。ベースグレードのスプリントとの主な違いは、ヘッドライトがハロゲンからバイキセノンになること、ファブリックシートからレザー&ファブリックになること、スポーツサスペンションが組み込まれること、205/55R16から225/45R17タイヤになることのほか、スプリントでは設定のないステアリングパドルスイッチが標準で装備されることも大きい。その価格差は40万円となる。

はやる気持ちを抑え、まずは後席に座ってみる。全長はライバルとなるフォルクスワーゲン ゴルフより140mm、ホイールベースも65mm長いこともあり、膝まわりの余裕はジュリエッタの方が上だ。なだらかで美しいルーフエンドを採用するためヘッドクリアランスに余裕は少ないが、それでも大人が座っても十分な空間を確保している。座面クッション厚もたっぷりで長距離も快適そうだ。荷室容量も350Lとゴルフと同等。実用車としてもこのクラスのトレンドセッターと遜色ない実力を有しているのが、アルファとしての新しい魅力とも言える。

運転席に座り直す。水平基調のインパネやスイッチ類はどこかクラシカルな雰囲気を持つ。質感は高いが、クールで都会的というよりもむしろシンプルで暖かみのあるデザインとなる。

エンジンを始動してスタート。ドイツ車の低排気量ターボエンジンのように、極低回転域からトルクを発生するというのではなく、ペダルの踏みしろに合わせリニアにトルクが湧いてくるタイプだ。街中では少々モサッとした印象となるが、それが気になるならば車両統合制御「D.N.A.」スイッチを「Dynamic」にすればすべては解決する。

またこのTCT車にはエンジンSTART&STOPシステムを搭載、これがかなり積極的に作動するため燃費向上を実感できる。信号待ちの交差点などわずかな時間でもストッと止まる。自分のタイミングでスタートさせるにはどちらかのパドルシフトを引くだけでエンジンが始動するので、焦る必要はない。

高速道路走行では「アルファロメオらしい」一面も垣間見せる。センター付近に遊びの少ないクイックなステアリングレスポンス、懐の深いサスペンション、適度にロール感を与えながら曲がっていく感覚はアルファロメオの共通項だ。この1.4Lターボは高回転まで回していく際の「高揚感の演出」には乏しいものの、それはQVの「1750」エンジンで味わえる。アルファらしさ=高回転領域の官能、と思うのならば、QVを選択するのがよい。

従来から受け継がれたアルファらしい魅力と、実用的そして低燃費という新しい魅力。絶妙なバランスで1台のなかに共存している。(文:Motor Magazine編集部)

画像: 水平基調のインパネデザインを採用。右手側シフトアップ、左手側ダウンのパドルシフトはコンペティツィオーネに標準。

水平基調のインパネデザインを採用。右手側シフトアップ、左手側ダウンのパドルシフトはコンペティツィオーネに標準。

アルファロメオ ジュリエッタ コンペティツィオーネ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4350×1800×1460mm
●ホイールベース:2635mm 
●車両重量:1400kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1368cc
●最高出力:125kW(170ps)/5500rpm
●最大トルク:250Nm(25.5kgm)/2500rpm
●トランスミッション:6速DCT
●駆動方式:FF
●車両価格(税込):358万円(2012年当時)

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