※1963年に掲載した当時の文章や表現をそのまま掲載しています。あらかじめご了承ください。
国産車が求める「極限」のスポーツ性を備えた4ドア・サルーン
この西独製の高級乗用車については今まで輸入台数が少ないためかあまり知られていない。しかしドイツはもちろんヨーロッパ全体で、メルツェデス・ベンツと等しく評価され、特定の愛好者をもっていることは有名で、この1500がパリ、ジュネーブ、フランクフルトの自動車ショーで発表されたときは絶大な人気を集めたようである。
BMW700に続き本来クラシカルデザインを用いていたBMWが脱皮して最新の感覚をとり入れ、しかも機能本位にまとめたこの1500は一口にいって運転してみなければわからない車の一つである。今月はバルコム・トレーディングのご好意で最近輸入されたこのBMW1500をテストする機会があったので印象的な面を記してみたい。

BMW1500の正面。印象的なBMWの歴史のあるグリルを中心に、細い横線を基調にしたグリル。ヘッドランプはシングルでグリル内部に埋込まれている。
この車は、どの参考書をみてもスポーティー・サルーンとは宣伝してなくただのファミリー・カーとして売られているが、結論を先に申上げれば1.5Lの完全なスポーツ・サルーンで、その性能は外観や機構で想定したよりはるかに高性能であることがわかった。したがってこの車に関しては、この高性能の出せる機構に目を向けてみたい。
上質の仕上げとオリジナリティーを主張するボディスタイル
フラットデッキのセンスを採用したこの車のボディは国産1900クラスの大きさを持っているので、外観からでは1500とは考えられない。そのうえ2550mmの短いホイールベースに対してオーバーハングは割合大きくとられ、デザイン上美しいサイドラインをもっている。
BMWのクラシックなグリルを中心に車幅一杯の横グリルを設け、ヘッドランプを組み入れた前面がわずかにこの車の飾った部分で、それ以外はモールディングも少なく落ち着いた品格のあるデザインである。

リア・スタイルにもフラットデッキと直線断ちを組み合わせ、きめ細かいデザインを見せる。特に3用途のテールランプは両サイドを引きしめている。
極端に切りつめたウインドウピラー類のために視界は広く、明るい車室をもっている。同じBMW700のように角ばったボディに対してピラー類が上つぼみになり、箱の感覚を少なくして軽快さを増している。
一般に国産車ではこの傾向が弱いため、必要以上に四角い感じになり鈍重になっているようだ。このシンプルなデザインを持ったBMW1500は正味5人乗で、フロントは厚いバケットシートが用いられ、リアのベンチシートとともに布張りでよく身体を支えてくれる。
