日本国内での販売台数は、限定3000台に
ホンダのハイブリッド車は、アルミボディを導入して軽量化を突き詰め、また空力性能を追求して当時最高クラスの燃費性能をマークした、3ドアハッチバックの初代インサイト(1999年)から始まった。そのコンセプトを普遍化させて、広い普及を目指した5ドアハッチバックスタイルの2代目、2モーターによるスポーツハイブリッドシステムを採用した4ドアセダンスタイルの3代目と、代々その時代に適したスタイルで環境への対応を成し遂げてきたシリーズといえる。
そのインサイトの名称は、3代目が生産終了した2022年をもっていちど途絶えたものの、このたび2026年に4年ぶりの復活を遂げることになる。新型インサイトは、従来までの流れ・・・ハイブリッドとは違う、BEVという新しいレールを走るモデルとして再構成された。
そのレールの先にあるのは、ホンダが現在全力で進めている「0シリーズ」の存在だ。ジャパンモビリティショー2025にも登場し、2027年から市場投入されると言われている0シリーズは、ホンダのBEV戦略の中核となる、先鋭的な思想でつくられるモデル群だ。革新的なコンセプトをもとに、これまでのBEVのあり方を変えるような役割が期待されている。
新型インサイトは、0シリーズと現行モデルたちとを繋げる橋渡し的な役割を担うモデルとして、このタイミングで日本市場に投入されることとなった。ターゲットはミドルエイジ以上の、生活にゆとりがある世代としている。サステナブルな生活への関心が高く、経済性も重視するその層に向けて、先進性が感じられ、所有欲を満たすモデルとして訴求を図る狙いだ。

新型インサイトはホンダのBEVを象徴する精悍な顔立ちが特徴。
BEVとして気になる航続距離は、一充電の走行距離を500km以上として平均的な実用のレベルを確保。急速モードでは40分で充電を完了するなど、長距離の移動を踏まえても必要充分な性能を備えている。
外観デザインは、BEVらしい先進性を際立たせるため、シャープなラインによるエッジ感が印象的な構成を採用している。それに伴い、前後の灯火類もエッジの効いたシャープなデザインでまとめられている。ヘッドライトは片側4眼のユニットをスリムなスペースに組み込んだ構成で、キリッとした表情を形作りながら、サイドにV字形のアイコンを配して、前後に共通する象徴的なアクセントを持たせている。
対するテールランプも同質のエッジ感による造形で、後方から見ても共通の印象になるようまとめられている。フロント下部に装着されたアンダースポイラーの存在感も独特だ。

フロントと共通イメージでまとめられたテールランプまわり。
また前席ドアハンドルを電動格納式に、後席ドアハンドルをピラーに隠すヒドゥンタイプにするなど、外観のノイズになり得る要素をできるだけ少なくする工夫を凝らしてスリークな印象を際立たせている点も見どころだ。ボディカラーは、日本導入で新たに設定された「アクアトパーズ メタリックII」をはじめとする5色の展開となっている。

爽快感を感じさせる新色「アクアトパーズ メタリックII」のクリーンな色合い。
ダイヤモンドダストパールとクリスタルブラックパールには白内装が用意されるが、これは専用ECサイト専用の組み合わせとなる。内装は、圧倒的な心地よさとデザイナー家具のような個性を感じられるよう、「sukkiri」というワードをテーマに据えて、シンプルなラウンド形状にまとめられている。

操作系は今のトレンドに則り、センターの大型モニターに集約される構成を採用。速度をはじめとする主要な情報がフロントウインドウに投影され、視線の移動を最小限に抑えられるヘッドアップディスプレイを採用しているのも新しいポイントだ。
インテリア装備のトピックは、ホンダで初採用となる「インテリジェントヒーティングシステム」と名付けられたヒーティングシステムだ。ドアトリム部とダッシュボード下部に備えたヒーターパネルによって輻射熱を発生、効果的に乗員を冷えから回復させる装備となる。
送風による加熱を行う現行のエアコンでは、目や呼吸器系、皮膚の乾燥が気になるという人も少なくない。その点、このヒーターパネル方式なら、風が直接当たらないので、その心配から解放されるというのが最大のメリット。加えて、ファンが無いことでの静粛性と、戦力消費が少ないという点も特色となる。
実際の車両では、ヒーターをオンにして10秒程度で暖かさを感じ、そこから数十秒で実効的な温度に達する感触だった。基本的にはエアコンやグリップヒーターと合わせて自動制御されるヒーティングシステムの一部として効率的に運用されるが、単体での作動も可能とのこと。

インテリジェントヒーティングシステムの操作表示。送風と個別の作動設定も可能。
この新型インサイト、日本国内での販売は限定3000台となっている。




