2026年5月9日(現地時間)、WEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間の決勝がベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで行われ、20号車BMW MハイブリッドV8(ラスト/フラインス/リンデ)が優勝。 2位にもチームメイトの15号車BMW MハイブリッドV8が入り、BMWが1-2フィニッシュを達成した。トヨタは小林可夢偉組の7号車が4位、平川亮組の8号車は10位だった。

27年ぶりとなる耐久レース世界最高峰での総合優勝

予選で94号車プジョーがポールポジションを獲得し、2番手に12号車キャデラック、その後ろにアルピーヌがつけるという、いつもとはちょっと違う展開。ハイパーカークラスは実力が拮抗し、フェラーリの最上位が8番手、前戦で優勝したトヨタの7号車が予選12番手、8号車が予選16番手と、波乱含みの戦いが予想された。

そんな中、BMW M チーム WRTは15号車が10番手グリッド、20号車が11番手グリッドかスタートし、大胆な戦略と幸運を味方につけ、歴史的勝利を掴み取った。

BMWは開始1時間後の最初のピットストップ時に勝負に出る。20号車が給油量をあえて少なくする「ショートフューエル」作戦でトップに浮上。ファステストラップを連発してリードを拡大すると、レース4分の1時点でラストからリンデにドライバー交代。クリーンエアのスペースでレースに復帰すると、リンデもハイペースを維持し、レース残り4時間時点からはライバル勢と戦略を同期させながら首位を守り続けた。

そして終盤には20号車に乗るフラインスが後続との差を拡大。一方、チームメイトの15号車はフェラーリとトヨタを相手に圧巻のディフェンスを披露し、BMWは1999年のル・マン24時間以来27年ぶりとなる耐久レース世界最高峰での総合優勝を1-2フィニッシュで飾った。

20号車のBMWが完璧なロングゲームを展開した一方で、15号車のBMWは順風満帆ではなかったが、粘り強い走りで上位に浮上すると、終盤にはライバルからの猛攻を受けながらもポジションを死守した。

「僕たちにとって信じられないストーリーだ。この瞬間を迎えるまで長い時間がかかった。ここ2〜3年ずっと待ち続けてきたんだ。みんな本当に懸命に働いてきたし、チームは戦略面で奇跡を起こしてくれた。僕をトップへ送り出してくれたし、そこからマシンはまるで飛ぶようだった。クリーンエアではペースも素晴らしく、ピットストップも完璧でミスも接触もなかった。本当に最高の日だ!」と勝利ドライバーとなった20号車BMWのラストは興奮気味に語った。

これでBMWはマニュファクチャラーズランキングとともに、ドライバーズランキングでも首位に浮上している。

画像: WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間を制した20号車BMW MハイブリッドV8(ラスト/フラインス/リンデ)。難コースといわれるスパ・フランコルシャンを攻略したことで、次戦ル・マン24時間の有力な優勝候補となりそうだ。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間を制した20号車BMW MハイブリッドV8(ラスト/フラインス/リンデ)。難コースといわれるスパ・フランコルシャンを攻略したことで、次戦ル・マン24時間の有力な優勝候補となりそうだ。

画像: WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間のポディウムにあがったラスト/フラインス/リンデ組。BMWはドライバーズランキングとマニュファクチャラーズランキングでトップに立った。

WEC第2戦スパ・フランコルシャン6時間のポディウムにあがったラスト/フラインス/リンデ組。BMWはドライバーズランキングとマニュファクチャラーズランキングでトップに立った。

厳しい戦いを強いられながらも2台揃ってポイント獲得

一方、開幕2連勝を狙ったトヨタは、予選12番手、16番手から巻き返しを図り、巧みな戦略と粘り強い走りで上位争いに加わった。

12番手スタートの7号車(小林可夢偉組)は、レース序盤にトップ10圏外で走行。しかし、他車のアクシデントやオーバーテイクにより順位を上げ、さらにレース終盤でのセーフティカーの導入により、一時は4番手まで浮上、最後まで見応えのあるエキサイティングなレースを展開した。

16番手スタートの8号車(平川亮組)は、7号車とは異なる戦略を採用。最初のスティントを短めに切り上げて2番手へ浮上し、その後はドライバーを交代しながら、長時間にわたって上位をキープ。しかし終盤のセーフティーカー導入時のピットストップで十分な給油が行えず、追加のピットインを余儀なくされため最後のセーフティカー導入時にトップ10圏外へと順位を落とした。

残り約20分でレースが再開されると、7号車は2位争いに加わり、最終的にトップからわずか6.015秒差の5位でゴール。8号車も最終的に10位でフィニッシュし、2台揃ってポイント圏内でフィニッシュした。

画像: 厳しい戦いを強いられながらも、5位に入賞した7号車トヨタ。8号車も10位に入り、最終的に2台揃ってポイント圏内でフィニッシュした。

厳しい戦いを強いられながらも、5位に入賞した7号車トヨタ。8号車も10位に入り、最終的に2台揃ってポイント圏内でフィニッシュした。

シリーズ参戦わずか2戦目でポイントを獲得

ヒョンデのプレミアムブランド、ジェネシスにとっても喜ばしい一戦となった。ハイパーカークラス新規参戦チームは、17号車ジェネシスGMR-001を8位へと導き、シリーズ参戦わずか2戦目でポイント獲得を達成した。

対照的に、予選でポールポジションを獲得したプジョーには失望が待っていた。94号車プジョーはレース序盤こそ無難に首位をキープしたが、LMGT3クラスのフォード マスタングがプーオンでグラベルにハマり、レース最初のセーフティカーが出動したことで、レースが混乱し首位から後退。それでも優勝戦線に残っていたが、レースの残り2時間という頃、LMGT3クラスの車両のアクシデントに巻き込まれて脱落となった。

画像: シリーズ参戦わずか2戦目でポイントを獲得したジェネシス・マグマ・レーシング。

シリーズ参戦わずか2戦目でポイントを獲得したジェネシス・マグマ・レーシング。

画像: 予選でポールポジションを獲得しながらノーポイントに終わった94号車プジョー。かわって93号車が予選9位から7位に入賞している。

予選でポールポジションを獲得しながらノーポイントに終わった94号車プジョー。かわって93号車が予選9位から7位に入賞している。

次戦、WEC第3戦は6月10日〜14日、シリーズ最大のイベント、伝説のル・マン24時間耐久レースがフランス・サルテサーキットを舞台に開催される。(文:新村いつき)

2026年WEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャン6時間 決勝

1位 20 BMW MハイブリッドV8(ラスト/フラインス/リンデ)151周
2位 15 BMW MハイブリッドV8(マグヌッセン/マルチェロ)+1.969s
3位 50 フェラーリ 499P(フォコ/モリーナ/ニールセン)+2.622s
4位 007 アストンマーティン ヴァルキリ(ティンクネル/ギャンブル)+59.385s
5位 7 トヨタ TR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/デ・フリース)+6.015s
6位 83 フェラーリ 499P(ハンソン/クビサ/イェ)+11.552s
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10位 8 トヨタ TR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+32.165

2026年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第2戦終了時)

1位 ラスト/フラインス(#20 BMW)35
2位 ブエミ/ハートレー/平川亮(#8 トヨタ)26
3位 リンデ(#20 BMW)25
3位 コンウェイ/小林可夢偉/デフリース(#7 トヨタ)25
5位 マグヌッセン/マルチェロ(#15 BMW)24
6位 フォコ/モリーナ/ニールセン(#50 フェラーリ)23

2026年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第2戦終了時)

1位 BMW 59
2位 トヨタ 52
3位 フェラーリ 42
4位 アストンマーティン 14
4位 アルピーヌ 14
6位 プジョー 9

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