前後左右に加え上下にも躍動する音が、奥行き感を演出
パイオニアは、このドルビーアトモスと独自の車室内音場を最適化する機能「オートタイムアラインメント&オートイコライザー」を組み合わせることで、一般的な車両が採用する4chスピーカー構成のオーディオシステムでもより価値ある「空間オーディオ体験」を可能にした。

今回、体験会に用意されていたのは、スズキのスイフト。ヘッドユニットに最新のDPAであるDMH-SF1000をチョイス、リアトレー上にTS-X40を備えていた。フロントスピーカー、ツイーター、サブウーファーのほか、インナーバッフルまでカロッツェリアブランドで揃えられている。ちなみに写真のデジタルミラーも新製品「MSD-DM300」だ。
お勉強が長くなった。そろそろ試聴した印象をご紹介しよう。
デモに使われた音源は、Apple Musicの中でドルビーアトモス再生を可能にしたコンテンツ。ジャンルは多彩だったが、ボーカルありのポップス系が中心だった。共通しているのは、多彩な音が複雑に絡み合うような曲調だろうか。カロッツェリアのコンポーネンツは、比較的少な目のスピーカー構成ながらしっかり粒だった「音の成分」を響かせてくれた。
立体感の伝わり方も、面白い。横方向の音の広がりはもちろん、上下方向の音場にも広がっていく。音源によってはさまざまな音がそれぞれのポジションを明確にしながら、ダイナミックに躍動する画が思い浮かぶ。少々メルヘンチックではあるが、さながら目には見えないちっちゃな羽根つきのプレイヤーたちが、ふわふわと宙を漂いながら楽し気に音楽を奏でているようでもある。
ジャンルによっては高音部分に少しシャカシャカ感もあったが、総じてクリアさが際立つ音質だった。このあたりは、音源の質や再生の設定によっても、変わってくるかもしれない。

国内の業界で初めてドルビーアトモスに対応したディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」。サイズは10.1インチのフローティングタイプで、多彩な車種にフィットするという。
DMH-SF1000は、「タイムアライメント」のほか「13バンドグラフィックイコライザー」「ネットワークモード」など、多彩な調整を可能にしている。「空間オーディオ」の豊かな没入感、臨場感の「もっとおいしいところ」を探りながら、自分好みのセットを試してみるのも楽しそうだ。
現状、ドルビーアトモスに対応するのはiPhone(Apple CarPlay)のみだが、Android派には、2chステレオ音源も立体化してくれる新しい音場処理技術「ステレオスペーシャルサウンド」をぜひ、試してみて欲しい。Dolby Atmosに対応していない楽曲でも、空間オーディオに近い臨場感を楽しむことができる。
個人的にはぜひ一度、「スターウォーズのテーマ」を全開で聴いてみたいものだ。



