2026年7月10日〜12日(現地時間)、WEC世界耐久選手権第4戦「サンパウロ6時間」がサンパウロ(ブラジル)のアウトドローモ・ジョゼ・カルロス・パーチェ(インテルラゴス・サーキット)で開催される。ひとつの大きな目標とされていたル・マン24時間を終えて、シーズンは後半戦に突入する。

耐久レースながら、土曜日の予選が極めて重要

WEC第4戦「サンパウロ6時間」の舞台となるのはアウトドローモ・ジョゼ・カルロス・パーチェ。「インテルラゴス」の愛称で知られるが、その名称は2つの人工湖に挟まれた立地に由来する。インテルラゴスの、インテル(=インター)は「間」、ラゴスは「湖」という意味で、その言葉が示すとおり、水と電気を供給すために作られたサンパウロ近郊のふたつの人工湖のほとりにある。

反時計回りに全長4.309kmのレイアウトは今シーズンのWECで最も短く、ハイパーカーは最高約305km/hに達し、ラップの約半分を全開走行で駆け抜ける。

ただ、標高約800mという高地に位置するため、冷却性能やパワーマネジメント、エアロダイナミクスがポイントとなる。また、高低差の激しいレイアウトはマシンにパワーを、ドライバーには高度なテクニックを要求し、多彩なオーバーテイクポイントでレースを最後まで盛り上げる。

一般的に長い時間を戦う耐久レースで、予選順位が勝敗を左右することは比較的少ないが、インテルラゴスでは事情が異なり、総合優勝はこれまで一度もフロントロウ以外から生まれていない。ほかのクラスでも後方から優勝した例はなく、土曜日の予選が極めて重要になる。

画像: 「インテルラゴス」の愛称で知られるアウトドローモ・ジョゼ・カルロス・パーチェ。コースは全体がすり鉢状になっていて、スロットル全開の高速の外周と、リズミカルなインフィールドセクションが組み合わされている。コース幅はそれほど広くないこともあって、スリリングでダイナミックなオーバーテイクが見られる。

「インテルラゴス」の愛称で知られるアウトドローモ・ジョゼ・カルロス・パーチェ。コースは全体がすり鉢状になっていて、スロットル全開の高速の外周と、リズミカルなインフィールドセクションが組み合わされている。コース幅はそれほど広くないこともあって、スリリングでダイナミックなオーバーテイクが見られる。

画像: インテルラゴス・サーキットのコース図。コース幅が狭く1周の距離が短いため、ハイパーカーとLMGT3カーあわせて35台のマシンが走るWECでは、トラフィックをどうかいくぐるかがポイントとなる。

インテルラゴス・サーキットのコース図。コース幅が狭く1周の距離が短いため、ハイパーカーとLMGT3カーあわせて35台のマシンが走るWECでは、トラフィックをどうかいくぐるかがポイントとなる。

優勝争いはトヨタとBMWを中心に展開か

優勝候補は前戦ル・マン24時間を制し、ランキングでもトップに立つトヨタ。現行ハイパーカークラスでインテルラゴス優勝経験を持つのはトヨタとキャデラックのみ。その中でもトヨタは、WEC創設以来この地で複数回優勝している唯一のメーカーだ。

画像: 前戦ル・マン24時間を制したトヨタ。一昨年2024年の「サンパウロ6時間」でも優勝を飾っており、今年は優勝候補の筆頭にあげられる。

前戦ル・マン24時間を制したトヨタ。一昨年2024年の「サンパウロ6時間」でも優勝を飾っており、今年は優勝候補の筆頭にあげられる。

昨2025年のサンパウロ6時間で圧巻の1-2フィニッシュを達成したキャデラックも当然優勝候補にあげられるが、その後キャデラックは一度も表彰台に届いておらず、最高成績は前戦ル・マン24時間レースの4位。ブラジルで再び頂点に立つことができるか。

画像: 昨年2025年の「サンパウロ6時間」ではキャデラックが1-2フィニッシュを達成した。キャデラックの反撃なるか。

昨年2025年の「サンパウロ6時間」ではキャデラックが1-2フィニッシュを達成した。キャデラックの反撃なるか。

BMWも優勝を狙えるパフォーマンスを十分に持っている。BMWは今シーズン第2戦スパ・フランコルシャン6時間で1-2フィニッシュ、ル・マン24時間で20号車がトヨタの1-2を阻止する2位入賞をあげている。

フェラーリも忘れてはならない。昨年の王者フェラーリは2025年序盤を圧倒したものの、昨年のル・マン24時間以降、勝利から遠ざかっているが、ここで復活してもなんらおかしくない。

【参考】2026年WEC世界耐久選手権第3戦「ル・マン24時間」 決勝

1位 7 トヨタ TR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/デフリース)381周
2位 20 BMW MハイブリッドV8(ラスト/フラインス/リンデ)+10.913s
3位 8 トヨタ TR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+20.417s
4位 12 キャデラック VシリーズR・ハーツイオタ(リン/ナト/スティーブンス)+32.381s
5位 51 フェラーリ 499P・AFコルセ(グイディ/カラド/ジョビナッツィ)+2m22.423s
6位 35 アルピーヌ A424(ダコスタ/ミレジ/ハブスブルグ)+2m30.205s
7位 83 フェラーリ 499P・AFコルセ(クビサ/イェ/ハンソン)+2m35.572s

2026年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第3戦終了時)

1位 コンウェイ/小林可夢偉/デフリース(#7 トヨタ)75
2位 ラスト/フラインス(#20 BMW)71
3位 リンデ(#20 BMW)61
4位 ブエミ/ハートレー/平川亮(#8 トヨタ)56
5位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(#51 フェラーリ)39
6位 ダコスタ/ミレジ/ハブスブルグ(#35 アルピーヌ)28

2026年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第3戦終了時)

1位 トヨタ 132
2位 BMW 96
3位 フェラーリ 62
4位 アルピーヌ 38
5位 キャデラック 32

【参考】2025年WEC世界耐久選手権第5戦「サンパウロ6時間」 決勝

1位 12 キャデラックVシリーズR・ハーツイオタ(リン/ナト/スティーブンス)242周
2位 38 キャデラックVシリーズR・ハーツイオタ(バンパー/ブルデー/バトン)+57.016s
3位 5 ポルシェ963・ポルシェペンスキー(アンドラウアー/クリステンセン)+58.882s
4位 6 ポルシェ963・ポルシェペンスキー(エストレ/ヴァンスール)+1L
5位 20 BMW M ハイブリッドV8(ラスト/フラインス/リンデ)+1L
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14位 7 トヨタGR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/デフリース)+3L
15位 8 トヨタGR010ハイブリッド(ハートレー/平川亮)+3L

今年の「サンパウロ6時間」ハイパーカークラスには、トヨタ2台、キャデラック2台、BMW2台、フェラーリ3台、プジョー2台、アルピーヌ2台、アストンマーティン2台、ジェネシス2台、合計17台のハイパーカーが出場する。

2026年WEC第4戦「サンパウロ6時間」 ハイパーカークラス エントリーリスト

007 アストンマーティン ヴァルキリー/アストンマーティン トールチーム
009 アストンマーティン ヴァルキリー/アストンマーティン トールチーム
7 トヨタTR010ハイブリッド/トヨタレーシング
8 トヨタTR010ハイブリッド/トヨタレーシング
12 キャデラックVシリーズR/キャデラック ハーツチームイオタ
15 BMW M ハイブリッド V8/BMW Mチーム WRT
17 ジェネシス GMR-001-ハイパーカー/ジェネシス マグマ レーシング
19 ジェネシス GMR-001-ハイパーカー/ジェネシス マグマ レーシング
20 BMW M ハイブリッド V8/BMW Mチーム WRT
35 アルピーヌA424/アルピーヌエンデュランスチーム
36 アルピーヌA424/アルピーヌエンデュランスチーム
38 キャデラックVシリーズR/キャデラック ハーツチームイオタ
50 フェラーリ499P/フェラーリAFコルセ
51 フェラーリ499P/フェラーリAFコルセ
83 フェラーリ499P/AFコルセ
93 プジョー9X8/プジョートタルエナジーズ
94 プジョー9X8/プジョートタルエナジーズ

「サンパウロ6時間」は7月10日から走行が始まり、90分間のフリー走行を2回、翌日の11日には、午前中に1時間の最終練習走行が行われ、その後にスターティンググリッドを決定するための予選とハイパーポールが15時25分(日本時間では12日午前3時25分)から実施され、6時間の決勝レースは12日11時30分(日本時間23時30分)にスタートが切られる。

2026年WEC第4戦「サンパウロ6時間」 タイムスケジュール

フリー走行1回目:7月10日11時〜(日本時間23時〜)
フリー走行2回目:7月10日15時50分〜(日本時間7月11日3時50分〜)
フリー走行3回目:7月11日10時10分〜(日本時間22時10分〜)
ハイパーカー予選:7月11日15時25分〜(日本時間7月12日3時25分〜)
ハイパーカーハイパーポール:7月11日15時45分〜(日本時間7月12日3時45分〜)
決勝:7月12日11時30分〜(日本時間23時30分〜)

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