▶▶▶写真はこちら|アウディ A6 オールロードクワトロ【画像6枚】
A6アバントをベースとしながら、強い存在感でまったくの別モデルに
今から13年前、1999年に登場したオールロードクワトロは、A6アバントをベースに車高を上げ、アンダーガードやオーバーフェンダーで武装した急造のオフロード仕様であった。
当時はメルセデス・ベンツMクラスやBMW X5が登場したばかりで、まだ現在のようにSUVが普及していなかった時代で、Qシリーズどころかフォルクスワーゲン トゥアレグの登場より2年も前だったのである。
それでも個性的なライフスタイルを望むオーナーは多く、1999年から2005年まで販売された初代モデルは9万台に達した。そして2006年にフルモデルチェンジした頃には市場に多くの本格的なSUVが登場、ニッチなオールロードは苦戦を強いられるかと思ったが、なんと6万台以上が出荷されたのである。
つまりワゴンベースのクロスオーバーがニッチモデルとして生き残る余地が存在したわけである。そこでアウディは、A6ばかりでなくA4アバントをベースにしたオールロードまでをラインナップに加えることを決定した。
さて、そんなわけで昨年2011年にフルモデルチェンジしたA6をベースにしたオールロードクワトロの市場投入の準備が整い、試乗会が生産工場のあるドイツ・ネッカーズルムで開催された。
会場となったアウディフォーラムの前に並んだA6オールロードは、切れ上がって精悍になったヘッドライトと縦のバーが強調されたシングルフレームグリル、さらにフロントバンパー下に一直線に広がったアルミの光沢を放つアンダーカバーで、旧モデルよりも一層高品質であると同時に洗練され、オールロードとしての個性的な存在感を放っている。それはホイールハウスを取り巻くオーバーフェンダー、そしてルーフレール、さらにリアへまわると同じくアルミ製のリアアンダーガードでさらに強調されており、もはやオールロードによって作られた伝統を放っている。
このニューモデルになって、スタンダードのA6アバントとのエクステリアの差はこれまで以上に明らかになっており、遠目にもすぐにA6オールロードクワトロであることがわかる。これはオーナーにとっては朗報に違いない。
ちなみにボディのスリーサイズは4940×1898×1452mmで、従来のモデルよりも6mm長く、36mmワイドで13mm高い。またホイールベースは72mm延長されている。しかしアウディのウルトラ軽量構造、ホットフォーミングスチール、重量比でおよそ20%のアルミを採用によって、オールスチールボディよりも15%の軽量化に成功している。さらに空力特性も改善され、Cd値は0.31とこのクラスでトップの性能を得ている。
一方インテリアも高品質そのもので、A7から移植された高級ヨットのような細長いウッドを組み合わせたインテリアはアウディの独壇場である。

ベースとなるA6アバントの車高を60mmアップ、さらに前後のオーバーフェンダーやダブルバーのルーフレールで個性的な存在感を放っている。

アルミ製リアアンダーガードが“オールロード”としての伝統を強調する。
未舗装路もフラットな乗り味、洗練という言葉がよく似合う
テストに選択したモデルは3L V6 TFSIガソリン直噴エンジン搭載モデルで、最高出力は310ps、最大トルクは440Nmを発生する。
組み合わされるトランスミッションは7速Sトロニックで、もちろんフルタイム4WD、アウディの発表によれば0→100km/hが5.9秒、最高速度は250km/hでリミッターが介入する。一方、燃費は100kmあたり8.9Lで、旧モデルよりもおよそ20%近い改善を見ている。CO2排出量は206g/kmと発表されている。
走りは、外観から想像されるようにすべてが洗練され、ベース価格の5万7750ユーロ(約575万円)のハイエンドクロスオーバーに相応しい快適な乗り心地を提供してくれる。
ソフトウエアを改良されたSトロニックによるギアのアップダウンはスムーズで、もはやトルコンとの差はほとんど感じられない。これならばアメリカの保守的なATドライバーにも間違いなく受け入れられるに違いない。
一般道路からアウトバーンへ乗り込み高速クルージングを楽しむ。ここでは背の高さを感じさせない安定走行で、高い速度でのレーンチェンジでもロールなどの不安な要素は見せず、安全に希望した車線にスパッと入り込む。4輪ベンチレーテッドディスクブレーキは総重量2トン近いボディを、たとえ高速からでも安定した姿勢で安全に制動力を発揮してくれる。
この日は残念ながら本格的なオフロード走行はできなかったが、撮影のために入り込んだ未舗装路でもフラットな乗り心地は失われなかった。さらに路面フィールを確かに伝えてくれるステアリングのおかげで高い速度を保ってのターマック走行も快適だった。
ニューA6オールロードクワトロは、洗練の塊という表現がぴったりの完成度を持ったユニークなクルマであった。この性能と外観は個性的なライフスタイルをクルマで表現、あるいは実現しようとするオーナーには最適な道具となるに違いない。(文:木村好宏)

インテリアは基本的にA6/A6アバントに準じるが、ウッドを多用したアウディならではの高品質感に包まれる。MMIは標準装備となる。
アウディ A6 オールロードクワトロ 3.0 TFSI Sトロニック 主要諸元
●全長×全幅×全高:4940×1898×1452mm
●ホイールベース:2905mm
●車両重量:1855kg
●エンジン:V6DOHC+スーパーチャージャー
●排気量:2995cc
●最高出力:228kW(310ps)/5500-6500rpm
●最大トルク:440Nm(44.9kgm)/2900-4500rpm
●トランスミッション: 7速DCT(Sトロニック)
●駆動方式:4WD
●最高速:250km/h
●0→100km/h加速:5.9秒
※EU準拠




