文: 石川順一
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坂の上の家から、買い物に出る日
坂の多い街では、買い物の帰り道がいちばんの難所になる。2Lのペットボトルの箱に、米の袋。週末のまとめ買いを電動アシスト自転車に積むと、前カゴと後ろの荷台はすぐに埋まる。アシストが効いていても、荷物を載せた登りではペダルを踏む脚に力が要る。載りきらなければもう一往復だ。
こがずに走れる乗り物なら、この坂は楽になる。16歳以上なら免許なしで乗れる特定小型原付には、サドルに座って走る自転車型が増えてきた。ただ、家に迎えるとなると確かめたいことが2つある。ひとつは、人と荷物を合わせてどこまで載せられるのか。もうひとつは、バイクに乗ったことのない家族でも扱えるのか。買った本人しか乗れないのでは、置き場所を割く理由が立たない。
荷物ごと坂を登れて、家族の誰もが乗り手になれる1台。その条件に正面から応えるのが、SWALLOWの「MOPERO mini cargo 2」だ。

前カゴ、車体中央のセンターバッグ、後ろの荷台の3か所に荷物を積める。写真は2で加わった新色のスレートブルー。
人と荷物で150kgまで、3か所に分けて積める
MOPERO mini cargo 2は、最大荷重、つまり乗る人と荷物の合計で150kgまで受け止める。同じ着座型の特定小型原付では、最大荷重100kg以下が多い。たとえば体重85kgの人が乗る場合、上限100kgの車両に積める荷物は15kgまでだ。だが150kgあれば、道路交通法施行令が原動機付自転車の積載物に定める上限の30kgを積んでも、まだ35kgのゆとりが残る。体格を問わず、荷物を減らす算段をせずに出かけられるわけだ。
この荷重を支えるのが、底面のない3辺のフレームを左右一対で組み合わせたダブルクレードル構造だ。荷物を積んだときの負荷に耐える剛性をきちんと確保している。
積む場所は、前カゴ、車体中央のセンターバッグ、後ろの荷台の3か所。例えば、前カゴに食材が大量に入った買い物袋、センターバッグに2Lのペットボトル2本、荷台に500ml入り24本一箱を載せることだってできる。水は1Lでおよそ1kgだから、荷台の箱だけで約12kg。それだけ積んでも、30kgの上限まで半分以上残っている。まとめ買いの日も、一度の往復で片づく。

センターバッグの位置には、別売のペット用バッグも付く。クッション入りでメッシュの窓があり、小型犬を乗せて、散歩の足では届かない公園まで連れて行ける。荷台には、鍵付きで容量36Lのリアトランクや、大きめの後ろカゴも追加できる。

肝心の坂は、定格出力500Wのプラネタリーギア・モーターが受け持つ。高いトルクを生むモーターで、体重65kgの人が乗った状態でも、急坂といえる32%の勾配を登りきれるほどパワフル。道路を新しく造るときの基準である道路構造令では、縦断勾配をもっとも急な場合でも12%までとしており、その2.6倍を超える数字だ。荷物を積んだままの登坂にも対応しているので、買い物帰りの坂をこがずに上がっていける。
バイクに乗ったことのない家族も、乗り手になる
もともと積載性の高い特定小型原付として知られていたMOPERO mini cargoだが、「2」になって変わったのは、より乗り手を選ばなくなったことだ。
まずアクセルは、従来の手首をひねる方式から、親指でレバーを押すサムスロットルに替わった。グリップをしっかり握ったまま、親指の動きだけで加減速できる。バイクの運転経験がない人にも扱いやすくする工夫だ。

加速の強さは「パパ・ママモード」で2段階から選べる。ママモードは発進と加速がおだやかに立ち上がる、乗り物の運転に慣れていない人に向けた設定。パパモードは力強く加速し、坂道発進でもトルクが出る。最高速度はどちらも20km/hで変わらない。シートとハンドルの高さも調整できるので、体格も経験も違う家族が、乗る前に自分向けの設定へ切り替えて同じ1台を使える。
通勤のように長く走る日には、新搭載のオートクルーズが効く。スロットルを押し続けなくても一定の速度を保つので、手首や指が疲れにくい。
毎日荷物を積む使い方に合わせて、車体側にも手が入った。スタンドは長く、安定した形状になり、荷物を載せたまま停めて積み下ろしをしてもふらつきにくい。前後のディスクブレーキはキャリパーを強化し、荷物を積んだ下り坂でも長持ちするブレーキパッドを採用した。センターバッグは生地と縫製を見直している。
家族共通の新しいアクティブな足
価格は18万9800円と、ハイレベルな電動アシスト自転車とほぼ同じだ。全国の取扱店では9月1日から店頭予約をすでに受け付け中だが、公式オンラインストアでは2026年9月26日12時から数量限定の予約特価を設ける予定で、先着枠は14万2350円とオトクに購入できる。枠が埋まるごとに15万1840円、15万5636円、16万1330円へと上がっていくので、気になる方は早めにチェックしよう。発送は11月中旬以降、順次開始予定だ。
維持費はあまり負担にならない。かかるのは標準税率で年2000円の軽自動車税と、加入が必須の自賠責保険、あとは電気代だ。バッテリーは48V・13Ahで、容量に直すと624Whになる。家電の目安単価、1kWhあたり31円で計算すると、満充電1回は約19円で済む。充電時間にしても約5〜6時間なので、夜に挿しておけば朝には満充電の状態で軽快に走り出せる。航続距離は最大50km。片道5kmの職場なら往復10kmで、満充電から5往復できる計算だ。
保証は12か月で、有償の延長保証が1年、2年、3年のプランで用意されている。購入から2年以内に盗難に遭った場合でも、優遇価格で新車を購入できるという補償までつく。いざというときに頼れる修理の窓口も多い。一部を除くものの、購入店への持ち込みに加え、全国4000名の整備士が出張料を取って自宅まで来る出張修理、近くに販売店がない場合の配送修理と全国規模の体制を敷いているのだ。試乗は現在、横浜市港北区日吉と大阪市港区の拠点が、予約制で受け付けている。
水の箱を積んだ週末の帰り道も、犬を連れて少し遠くの公園へ向かう朝も、片道5kmの通勤も、同じ1台がこなす。乗り手は日によって替わり、そのたびにシートの高さと加速のモードを合わせ直すだけでいい。MOPERO mini cargo 2のおかげで、坂の上の家に、家族全員が使える足の選択肢がまたひとつ増えた。

カラーバリエーションは4種類
SWALLOW MOPERO mini cargo 2 主要諸元
・車両区分:特定小型原動機付自転車(16歳以上は運転免許不要)
・乗車定員:1名
・全長×全幅×全高:1230mm×550mm×990mm(全長はフロントバスケットを含まず)
・車両重量:26.4kg
・最大荷重:150kg(積載物は法令上30kgまで)
・タイヤ:12.5インチ
・最高速度:20km/h
・モーター定格出力:500W(プラネタリーギア・モーター)
・登坂性能:最大32%(体重65kgの運転者の場合)
・航続距離:最大50km
・バッテリー:48V・13Ah
・充電時間:約5〜6時間
・ブレーキ:前後ディスクブレーキ
・サスペンション:フロントサスペンション
・装備:オートクルーズ、パパ・ママモード、サムスロットル、カード型キー、フロントバスケット、センターバッグ、リアラック
・カラー:スレートブルー、ガンメタリック、オリーブ、イエロー
・価格:18万9800円(税込)
・予約受付:2026年9月26日12時から(SWALLOW公式オンラインストア。取扱店は9月1日から店頭予約)
・発送:2026年11月中旬以降順次
・保証:12か月(有償の延長保証あり)
・販売:SWALLOW公式オンラインストア、全国の取扱店
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