▶▶▶写真はこちら|コース図ほか、WRC第13戦最終戦ラリー・イタリア サルディニア【画像7枚】
ドライバーチャンピオンの可能性は3人に
前戦のラリー・チリ・ビオビオで、トヨタのオリバー・ソルベルグが優勝、2位にもトヨタのセバスチャン・オジェが入って、トヨタは1-2フィニッシュを達成。WRC史上最多記録に並ぶ6年連続となるトヨタのマニュファクチャラーズ・タイトルを決定したが、ラリー・イタリア サルディニアではチームの3人のドライバー/コ・ドライバーが初の年間タイトル獲得に挑むことになる。いずれのクルーがタイトルを手にしても、トヨタは8年間で7回目となるドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得する。
チャンピオンの可能性を残すのは、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン、オリバー・ソルベルグ/エリオット・エドモンドソンのクルー。ラリー・サウジアラビアの開催中止のため、残念ながらセバスチャン・オジェ、勝田貴元にチャンスはなくなった。
チャンピオンに向けてもっとも有利なのはエバンス。今シーズンは2戦ラリー・スウェーデンと、第7戦ラリー・ジャパンで優勝。第5戦のラリー・イスラス・カナリアス(スペイン)以降はランキング首位の座を守り続け、グラベルラリーでは滑りやすい路面で不利な一番手スタートを担い続けながらも高得点を重ねてきた。
フィンランド出身24歳のパヤリは、トップカテゴリーへのフル参戦2シーズン目となる今年、大きく飛躍。第9戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を達成すると、地元イベントの第10戦ラリー・フィンランド、第11戦ラリー・デル・パラグアイと、初勝利から3連勝して、チャンピオン候補に名乗りをあげた。
25歳のスウェーデン人ドライバー、ソルベルグはトヨタでのトップカテゴリーフル参戦初年度を、開幕戦ラリー・モンテカルロでの優勝からスタート。9月に開催されたラリー・チリ・ビオビオではWRC通算3勝目を手にし、ドライバーズタイトル争いに残った。
ラリー・イタリア サルディニアは波乱となることも多いので予断は許されない状況だ。

2026年シーズンは第2戦ラリー・スウェーデンと第7戦ラリー・ジャパンを制したエルフィン・エバンス(右)/スコット・マーティン。その後、優勝こそないが、堅実な走りでランキング首位の座を守り続けている。

ラリー・デル・パラグアイで今季3勝目をあげたサミ・パヤリ(右)/マルコ・サルミネン組。第9戦ラリー・エストニアでWRC初優勝を飾って以来、3連勝を達成してチャンピオンの有力を候補に名乗りをあげた。

前戦ラリー・チリ・ビオビオでシーズン2勝目をあげたオリバー・ソルベルグ(右)。左はエリオット・エドモンドソン。逆転チャンピオンを狙う。
【参考】2026年 WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ 結果
1位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h57m08.2s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+16.6s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+33.3s
4位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m33.9s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー)+2m22.3s
6位:E.ラッピ(ヒョンデ i20N ラリー1)+5m07.0s
7位:J.マカリアン(フォード・プーマ ラリー1)+7m31.5s
8位:Y.ロッセル(ランチア・イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ)+9m31.0s
9位:R.ヴェルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)+10m24.0s
10位:G.グリーンスミス(トヨタ GRヤリス ラリー2)+10m58.2s
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リタイア:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)
【参考】2026年 WRCドライバーズランキング(第12戦終了時)
1位:E.エバンス(トヨタ)230
2位:S.パヤリ(トヨタ)213
3位:O.ソルベルグ(トヨタ)209
4位:S.オジェ(トヨタ)171
5位:A.フルモー(ヒョンデ)167
6位:勝田貴元(トヨタ)163
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)129
【参考】2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第12戦終了時)
1位:トヨタ 614
2位:ヒョンデ 410
3位:Mスポーツ・フォード 152
開催時期が10月に移ったことで気象条件が大きく変化
「ラリー・イタリア サルディニア」は、地中海に浮かぶ美しきサルディニア島を戦いの舞台にしたラフグラベルラリー。ステージは高速となるうえに、道幅は全体的に狭く、岩や木が道のすぐ脇に迫るため、精度の高いドライビングが求められる。
路面は硬い岩盤の上に目の細かい砂がのっているのが特徴で、出走順が早いドライバーたちにとっては不利なコンディションになる一方で、何台かのクルマが走り砂が掃き飛ばされると硬い路面が露出しタイヤに厳しい条件となる。出走順トップのエバンスにとってはここが課題となる。
また、今年は6月から10月に開催時期が移ったため、毎年問題となる高い気温よりも地中海から吹き込む風に注意が必要となりそう。例年とは異なる気象条件にどう対応するかが重要となる。

ラリー・イタリア サルディニアのステージの路面は、硬い岩盤の上に目の細かい砂がのっている場所が多い。
昨年の「ラリー・イタリア サルディニア」は、予想どおりに先頭スタートのエバンス(トヨタ)がSS1から砂利の掃除役となって大きくタイムロスする展開で始まった後、序盤からアクシデントが連続。ライバルが次々と脱落する中、オジェ(トヨタ)が自身も最終ステージでコースアウトを喫しながら、追いすがるオィット・タナック(ヒョンデ)を抑えて優勝を飾った。

昨年2025年のラリー・イタリア サルディニアを制したセバスチャン・オジェ(トヨタ)。終盤、オィット・タナック(ヒョンデ)を抑えて優勝を飾った。
【参考】2025年 WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディーニャ 結果
1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)3h34m24.5s
2位:O.タナック(ヒョンデ i20N ラリー1)+7.9s
3位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+50.5s
4位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+5m05.7s
5位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー2)+7m29.6s
6位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+8m32.9s
7位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+10m29.0s
8位:N.グリヤジン(シュコダ・ファビアRS ラリー2)+10m58.7s
9位:R.ダプラ(シュコダ・ファビアRS ラリー2)+12m15.3s
10位:K.カエタノビッチ(トヨタ GRヤリス ラリー2)+12m21.1s
サービスパークは島北西部の古都アルゲーロへ移動
ラリーの中心となるサービスパークは、昨年のサルディニア島北東部のオルビアから、島北西部の古都アルゲーロへと移動。1年おきにサービスパークを交代する方式が定着している。
ラリーはまず10月1日(木)の午前9時過ぎからシェイクダウンが行われ、夕方4時過ぎからイッティリ・ラリークロス・サーキットで行われるスーパーSSで競技がスタート。1日を通しての本格的な戦いは翌日、2日(金)の朝から始まり、デイ2としてサービスパークの東側エリアで、3本のクラシックステージをミッドデイサービスを経て午前と午後で各2回走行する。
3日(土)のデイ3も、引き続きサービスパークの東側エリアで、3本のステージを各2回走行。SS9/12「コイルナーロエッレ」は全長24.83kmと長く、今大会最長のステージとなる。
最終日となる4日(日)のデイ4は、サービスパークの北から北東にかけてのエリアで「オシロ-テルグ」と「サッサリ-アルジェンティエラ」の名物ステージを各2回走行。そのうち、SS15の再走となるSS17「サッサリ-アルジェンティエラ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
17本のステージの合計距離は307.15km、リエゾン(移動区間)も含めたラリー全体の総走行距離は1630.48kmが予定されている。

WRC第6戦ラリー・イタリア サルディニアのステージマップ。サービスパークは島北西部の古都アルゲーロに置かれる。
トヨタはライバーズタイトルを決める2026年シーズン最後のラリーに、エルフィン・エバンス、サミ・パヤリ、オリバー・ソルベルグ、セバスチャン・オジェ、勝田貴元のフル体制でのぞむ。




