文: Webモーターマガジン編集部
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スズキ フロンテSS<LC10型/1968年(昭和43年)>
スズライトバンTLからのFF(フロントエンジン フロントドライブ)方式を継承して昭和37(1962)年に登場したスズライト フロンテFEA型に対し、昭和42(1967)年3月に発表されたフロンテLC10型はRR(リアエンジン リアドライブ)方式を採用した。これはフロンテLC10型が走りに重点を置いて後席スペースを犠牲にできたこと、FFが先進的すぎて生産性やコスト面に未解決な部分があったことなどが理由だ。

シンプルながらスポーツ心のあるコクピット。RR方式としたことで前席のフットスペースは広い。
昭和43(1968)年11月、LC10型フロンテ シリーズに追加されたスポーツバージョンがフロンテSS。前年42年3月に登場し、高出力、高性能、低価格でたちまち軽乗用車市場のトップに躍り出たホンダ N360に対抗すべく登場したハイパフォーマンス軽自動車である。
エンジンは空冷の2サイクル3気筒、排気量は356cc、CVキャブレターを3連装して最高出力36psを発生するLC10型エンジンを搭載。LC10型の標準エンジンの最高出力は25psであったが、圧縮比のアップに加え、シリンダーを熱効率の良いアルミ合金に改め、さらに口径の大きいキャブレター3連装などによって、実に11psアップの36psとした。トランスミッションはフルシンンクロの4速MT。最高速は125km/h、0→400m加速は軽乗用車では初めて20秒を切る19.95秒をマークしている。
最高出力31psでスタートしたホンダ N360も昭和43(1968)年9月にツインキャブで36psのTシリーズを追加、スバル360もフロンテSSと同じ43年11月からツインキャブで36psのヤングSSを加えているので、これで36psの軽自動車ホットモデルが顔を揃えたことになる。そしてこの後にミニカ`70 GSS、フェローMAX SSが続くことになる。まさに軽スポーツが花を開いていく時代であった。
ブラックマスクにブラックタイヤ、砲弾型ミラー、ブラックを基調としたダッシュボードなどで、スポーツムードも満点のフロンテSSだったが、昭和45(1970)年4月には最高出力は同じ36psながら、内装などをさらにスポーティな仕様にしたフロンテSSSも追加されている。

走りに重点を置いて後席スペースを犠牲にし、またFFが先進的すぎて生産性やコスト面に未解決な部分があったことからRRを採用。
スズキ フロンテSS 主要諸元
●全長×全幅×全高:2995×1295×1290mm
●ホイールベース:1960mm
●車両重量:445kg
●エンジン:直3 2ストローク
●総排気量:356cc
●最高出力:36ps/7000rpm
●最大トルク:3.7kgm/6500rpm
●燃料供給装置:CVキャブレター×3
●トランスミッション:4速MT
●駆動方式:RR
●タイヤサイズ:4.80-10
●当時の車両価格:39万5000円
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