文:飯嶋洋治
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ピッコロフェラーリとして独自の存在感を放つディーノ

迫力よりも流麗さが際立つスタイリング。ピッコロ(小さい)フェラーリとして存在感は高い。
フェラーリのきらびやかなグランツーリスモ群の中にあってディーノ246GTはあまり目立たない存在である。しかし、これはあくまで相対的な比較の上に派生する問題であって、246GT自体の絶対水準はかなりのものである。そのパワーユニットのV6DOHC、2418cc、195ps/7600rpm、23.0kgm/4800rpmなるデータは信用してよい。
何しろテスト車はすでに36000km以上を走行したヴェテランであったが、それでも実測値222km/hをマークしたのである。新車なら当然230km/h以上をマークし得ると考えるべきだろう。2.7Lポルシェに迫仲するポテンシャルをもつといっても過言ではない。
エンジンは軽やかに吹き上がり、フルスロットル時の吸気音と排気音がミックスされた唸りは、コックピットの中で聞く場合、意外なくらい音量が小さく静粛であるが、6気筒特有のビートが効いており、爽快なくらい快適な音質である。
軽やかなV6サウンドは爽快な音質

バンク角65度に設定したV6DOHC。エンジンは横置きだ。慣性モーメントが中央に近づいたことで操縦性も上がっている。
回転を引っ張り切ると回転計の指針は7250rpmで始まるイエローゾーンを簡単にオーバーし、マキシマムの7600rpmまでスムーズに到達する。この一事からもV6DOHCはウルトラスポーツタイプであることがわかる。
空力的に優れたボディスタイルは、いささか疲労した形跡のあるテスト車であっても満足すべき高速まで押し上げることを可能にした一因だ。地を這うスパイダーそのものといったボディはフロントフェンダーを大きく張り出し、前面投影面積は可能な限り抑えてある。もちろん空気抵抗係数も小さいので、高速車としては理想的なシルエットを形成している。
コックピットを包む大きなグラスセクションは全周にわたってミッドシップGTカーとしては例外的な視界を確保している。このファクターもディーノを乗り易いGTカーとしている一因に数えてよい。

インパネはクロノグラフを思わせる機能性を持つ。スピードメーターは270km/h、タコメーターは1万回転まで刻まれる。
コーナリングマシンの名に違わぬ優れた操縦安定性

リアビューもシンプル。トランクリッドが大きく、その前のエンジンルームがかなりドライバー寄りになっているのが分かる。
操安性は極めて高水準にある。比較的ソフトなサスペンションセッティング、良好に作動するサスペンションジオメトリのせいで、四輪は常にしっかりと路面をホールドしている。
ファイナルオーバーステアの緩やかさが、この車の優秀な操安性を端的に証明している。ディーノがミッドシップGTカーの中で最も万人向きの安定した特性をもつ理由はここにある。これは前述の要因の外、エンジンを横置にしたメリットも加わってのことであろう。
高速時の急激なレーンチェンジを試みても、その安定度の高さを窺うことができる。筆者は多くの車を200km/hで舵角の大きいレーンチェンジを行なってみるのだが、多くの高性能車の中にあって、ディーノ246GTがベストであった。
これならば一般のドライバーでも、多少の慣熟期間を経れば、スポーティ走行を高度の安全性量の下に楽しむことができるであろう(原文:望月修)。※ここから先は『SUPERCAR IMPRESSIONS Chronicle(モーターマガジン社)をご参照ください。
ディーノ246GT/BB主要諸元
●全長×全幅×全高:4235×1700×1135mm
●ホイールベース:2340mm
●車両重量:1080kg
●エンジン:65度V6気筒DOHC
●排気量:2419cc
●最高出力:195ps/7600rpm
●最大トルク:22.9kgm/5500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:MR


