アコードと同様のハイブリッドシステムであるi-MMDを搭載したオデッセイが待望のデビューを飾った。JC08モード燃費は24.4km/Lとミドルサイズのミニバンとしては良好。かつての爆発的人気を取り戻せるだろうか。
画像1: 【試乗】ホンダ オデッセイ ハイブリッドが待望のデビューを飾り、さっそく実力診断

モーター主導で燃費は良好

オデッセイに採用されたハイブリッドシステムは最新型のi-MMD。駆動用モーターを前輪に直結し、クラッチを挟んで設けられたもうひとつのモーターで発電を行う。エンジンは効率を追求した2L直4のアトキンソンサイクルを搭載するが、これは主に発電のためのもので、限定的にトランスミッションを介さず直接前輪を駆動する。エンジンで走った方が効率の良い領域を除き、基本的にモーターで走るというわけだ。

これはアコード用のものと同じだが、エンジンやモーターの出力が上げられ、バッテリーの小型軽量化が進んでいる。

さっそくハイブリッドアブソルートに試乗してみると、モーター駆動を中心とするハイブリッドだけに、スムーズで発進から力強い。モーターの最大トルクは315Nmもあり、それを2000rpmまで発揮する。アクセルペダルを踏んでいくとエンジン音が聞こえてくるが、それは発電用モーターを動かす音だ。

走行モードは、エンジンは動かずモーターのみで走るEVモード、エンジンで発電しながらモーターを駆動するハイブリッドモード、モーターを切り離してエンジン駆動のみで走るエンジンドライブの3つ。これを自動的に効率よく使い分ける。EVモードは発進だけでなく、様々な場面で使われる。

モニターの中の小さな歯車のマークはエンジン直結モードで入ったことを示す。巡航状態で70km/hほどで入ることもあるが、微妙なアクセルワークですぐにこのマークは点いたり消えたりする。その時々の燃費消費の面から言えばEVモードがベストであるのは当然として、エネルギー効率の点から見ればこのエンジン直結モードがもっともいいのだという。

エネルギーモニターと瞬間燃費計を見ながら効率良く走ることを心がけていると、駆動と充電をこまめに切り替えていることがわかる。減速したいときなど、充電量を増やすべくシフトダウンしたくなるが、パドルシフトは用意されない。トランスミッションがないので当然だが、充電に使う割合を任意に変えることはできない。常に最適制御を行ってくれるから、クルマにまかせるのが一番だ。

モーター駆動によるレスポンスは良く、滑らかな走りを身上とするが、巡航状態からアクセルペダルを思い切り踏み込むと、フル加速に入るのにやや時間がかかった。イメージ的にはエンジンとモーターの両方を同時に使って加速するように思えるが、もちろんそうはならず、発電用モーターが電力を供給し、駆動用モーターが全力で加速を行う。 

画像: 2列目キャプテンシート7人乗りとベンチシート8人乗りがある。リチウムイオンバッテリーは1列目シート下。

2列目キャプテンシート7人乗りとベンチシート8人乗りがある。リチウムイオンバッテリーは1列目シート下。

足まわりは、17インチタイヤを装着したスポーツ仕様のアブソルートでもそれほど硬くなく、乗り心地は良好。スポーティなミニバンという印象は薄れたが、このハイブリッドシステムはジェントルで頭がいい。そして燃費が極めていい。JC08モード燃費は24.4km/L、その車格を考えれば驚くべき数字だ。

価格はハイブリッドの高級ミニバンでありながら最上級モデルで405万6400円と魅力的。発売後約1カ月時点での受注台数は目標の4倍以上となる9000台を超えたというが、その人気もよく理解できる。(文:松本雅弘/写真:井上雅行)

画像: アブソルートは内外装のデザインや足まわりが標準モデルと異なる。リアガーニッシュにABSOLUTEの文字。

アブソルートは内外装のデザインや足まわりが標準モデルと異なる。リアガーニッシュにABSOLUTEの文字。

●主要諸元〈オデッセイ ハイブリッド アブソルート ホンダセンシング EXパッケージ 7人仕様〉
全長×全幅×全高=4830×1820×1685mm 
ホイールベース=2900mm 
車両重量=1900kg 
エンジン=直4DOHC 1993cc 
最高出力=107kW(145ps)/6200rpm 
最大トルク=175Nm(17.8kgm)/4000rpm 
モーター=交流同期電動機 
モーター最高出力=135kW(184ps)/5000-6000rpm 
モーター最大トルク=315Nm(32.1kgm)/0-2000rpm 
駆動方式=FF 
JC08モード燃費=24.4km/L 
タイヤサイズ=215/55R17 
車両価格=4,000,000円 
※取材車両のボディカラーはプレミアムヴィーナスブラックパール。

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