
快適装備を廃して走りに徹したスパルタンなグレードが1600GTV。
日本初のスペシャリティカーとしてセリカが登場したのは1970年12月のこと。前年の東京モーターショーに参考出品されたトヨタEX-1を量産化したものだった。フルチョイス・システムを採用するなどユニークな販売方法でも話題となったが、その頂点に君臨したのが1600DOHCエンジンを搭載したGTだった。
その2年後の8月に追加設定されたのが、GTにビクトリーの頭文字を冠した「GTV」である。その名のとおり、走りに徹したモデルとして位置づけられており、快適装備を廃して軽量化を図り、その一方でハードサスペンションや185/HR13ラジアルタイヤを標準装備するなどスパルタンなモデルに仕上げられていた。

スパルタンなインパネ。標準ではラジオさえも装備されなかった(写真はオプションとして装着済み)
搭載エンジンはGTと同じく1600㏄のDOHC。2T型OHVエンジンをヤマハが開発したDOHCヘッドに換装したもので、ソレックスキャブを2連装して115psの最高出力と14.5kgmの最大トルクを得ていた。その実力は当時の1.6Lトップクラスで、カタログには最高速度190km/h、0-400m加速は16.5秒と謳われている。

名機として語り継がれる2T-G型エンジン。チューニングベースとしても人気のエンジンだった(写真はカローラレビンに搭載された2T-G型)
「よろしくメカドック」ではメカドックの常連として店にやってくる落ちこぼれ暴走族「松桐坊主」の愛車として登場。メカドックによってたびたびチューニングされるが、なぜかしばらく経つと元に戻っている(?)不思議なクルマだった。

レーシングジャケットやオーバーフェンダーは当時の街道レーサーたちのお約束だった。ⓒ次原隆二/NSP 1982