1982〜1985年にかけて週刊少年ジャンプで連載されていた人気漫画「よろしくメカドック」。その作中には現代では名車と呼ぶにふさわしいモデルが多数登場する。今回はその中から、セリカ1600GTVをマンガの原画とともに振り返る。
日本初のスペシャリティカーとしてセリカが登場したのは1970年12月のこと。前年の東京モーターショーに参考出品されたトヨタEX-1を量産化したものだった。フルチョイス・システムを採用するなどユニークな販売方法でも話題となったが、その頂点に君臨したのが1600DOHCエンジンを搭載したGTだった。
その2年後の8月に追加設定されたのが、GTにビクトリーの頭文字を冠した「GTV」である。その名のとおり、走りに徹したモデルとして位置づけられており、快適装備を廃して軽量化を図り、その一方でハードサスペンションや185/HR13ラジアルタイヤを標準装備するなどスパルタンなモデルに仕上げられていた。
搭載エンジンはGTと同じく1600㏄のDOHC。2T型OHVエンジンをヤマハが開発したDOHCヘッドに換装したもので、ソレックスキャブを2連装して115psの最高出力と14.5kgmの最大トルクを得ていた。その実力は当時の1.6Lトップクラスで、カタログには最高速度190km/h、0-400m加速は16.5秒と謳われている。
「よろしくメカドック」ではメカドックの常連として店にやってくる落ちこぼれ暴走族「松桐坊主」の愛車として登場。メカドックによってたびたびチューニングされるが、なぜかしばらく経つと元に戻っている(?)不思議なクルマだった。