半自動運転を可能にしたBMW 5シリーズ
現在、テレビで頻繁に放映されている新型BMW5シリーズのCM。このCMのなかで“ハンドルが自動で動いているシーン”を盛り込むなど、部分自動運転を可能にした運転支援システムを積極的にアピールしている。「Motor Magazine 4月号」では、そんな最新技術を搭載したBMW 540i Mスポーツと523d ラグジュアリーを詳しく紹介している。
自分でハンドル操作するよりも安定して車線の中央を走り続けることができる
この取材で使用した540i Mスポーツで高速道路を走っているときに思わず「これは凄い!」と叫んでしまった機能がある。それは「ステアリング & レーン・コントロール・アシスト」だ。
これは、部分自動運転を可能にした運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」にという技術の中に含まれる新機能。ルームミラーの中に2つのステレオカメラを内蔵し、ミリ波レーダーセンサーを前に3基、後に2基装備することで自動ブレーキはもちろんのこと、アクティブ・クルーズ・コントロールなどの運転をサポートする技術だ。もちろんこれ以外にもたくさんの安全サポート機能が搭載されている。
いまや「レーンキープアシスト」という技術は珍しくない。このシステムは、車内に設置されたC-MOSやCCDカメラをもとに車線を認識し、ウインカー操作をしないまま車線を逸脱しそうになると警報音や振動、ディスプレイ表示などでドライバーに知らせる機能だ。
これをさらに進化させるとハンドル操作までを自動でアシストするのだが、これも車線を逸脱しそうになってからはじめて作動する。よって、それに頼って運転すると当然左右の車線の間をフラフラしながら走行することになる。
BMW 5シリーズに搭載される「ステアリング & レーン・コントロール・アシスト」は、カメラが車線を認識し、常に左右の車線の中央を走るようにハンドルをアシストしてくれる機能だ。
実際、ハンドルに軽く手を添える感じで高速道路を走ると、まるで自分がハンドル操作をしているかのように走行レーンの中央を走り続ける。左右の車線を確実にカメラが認識し、緩いカーブでもしっかりとハンドルをアシストし、まったくフラフラする気配もみせない。自分でハンドル操作するよりも確実に走行レーンの中心を走ることができるだろう。
だが、少しきついカーブでいったん体制が乱れると車線は逸脱しないのだが、ハンドルを頻繁に左右に動かし軌道修正を行っている。しかし、それがなかなか治まらず最終的には自分の手で修正した。その後は、何事もなかったように“オン・ザ・レール感覚”で走り続ける。ハンドルから手を離すと10秒ほどでメーターディスプレイに警告が表示される。
こんなに優れた機能も来年には“当たり前の技術”になってしまうのだろうか。またひとつ“自動運転時代の到来”を実感させられる技術を体感した気がする。是非、ディーラーで試乗して欲しい1台だ。