
262Cは、スチール製のルーフを樹脂製カバーで覆った唯一のボルボモデルである。
ジュネーブモーターショーでデビューした
ボルボは、今から40年前の1977年のジュネーブモーターショーで2ドアクーペを登場させた。それが「262C(クーペ)」である。このモデルは、200シリーズをベースに、Aピラーを大きく傾斜させ、ルーフの位置を60mm低くしたクーペモデルで、ボディは流麗さを演出するために、それまで横置きとしていたラゲッジスペースのスペアホイール収納スペースが変更されているが、ほかの部分は共通となっている。
インテリアも特徴的だ。シート、ヘッドレスト、ドアサイド、そしてステアリングホイールまで贅沢にレザーが使用され、さらにウッドも使われている。

生産台数が少なかったため、イェーテボリのボルボの工場には適していなかった。そこでカロッツェリア ベルトーネで組み立てが行われている。フロントウインドウの下端にあしらわれた小さなエンブレムは、ベルトーネで組み立てられたことを示している。
生産台数は予想の2倍以上となった
この262Cは、200シリーズのベーシックモデルに比べて価格が2倍以上だったにもかかわらず予想を遙かに上回る売上を記録している。年間の目標生産台数は800台とかなり低く設定されていたが、1977年モデルと最終モデルを除き、実際の生産台数は予想の2倍を超え、6622台となった。また1981年の最終ロットの販売が終了したときには、すでにコレクションの対象にもなっていた。
現在、ボルボのラインナップにはセダン、ステーションワゴン、SUV、クロスオーバーモデルが並び、数年前まであったC70を最後にクーペやカブリオレの姿はない。ボルボのクーペモデル40周年を記念して、ぜひとも262Cのようなクーペを復活させて欲しいと思っている。

独立企業のソレールが、北米のボルボ・カーズに代わり、262Cのカブリオレモデルを生産したが、その台数はわずか5台だった。