マイナーチェンジで「セダン」も新登場したRS3
小柄なボディに400psエンジンと4WDシャシの組み合わせ…それだけ聞いても“熱い走り”が彷彿とされるモデルを、中東オマーンの地でテストドライブした。
そんな魅惑的なモデルの名はアウディRS3。現行型A3をベースとしたこのモデルは、実は2015年のデビューだ。
けれども、周辺ライバルの追撃を受け、エンジン出力を従来の367psから大幅に引き上げた上で、バーチャルコクピットの採用やコネクティビティの進化など、装備面も最新世代へとアップデート。さらに、これまではハッチバックのみだったボディにセダンも加えたのがここに紹介する新型だ。
スパルタンな走り。マグネティックライドは必須か
まずはRS3セダンでスタートすると、これがなかなかスパルタンなピュアスポーツモデルであることを早々に教えられた。路面のわずかな凹凸も見逃すことなく拾い、揺すられ感が思いのほか強い。そんなテイストこそ「“走り”のモデルの証だ」と歓迎する人もいそうな一方で、後席にゲストとして乗り込んでみると、「これはオプション設定される電子制御式可変減衰力ダンパー“マグネティックライド”を選んだ方が良いかな」と、そう感じさせられたのも事実だ。
5気筒の快音が気持ち良い
リファインを受けたエンジンは、アルミ合金製クランクケースの採用で26kgもの軽量化が図られたり、直噴とポート噴射を併用するデュアルインジェクションを新採用したりと、実は抜本的な改良を実行。直列5気筒という稀有なデザインは、3800rpm付近から上で独特の快音を発生。これを聞きたくて、思わずパドルを引いて低いギアを選びたくなってしまう。
そんな5気筒サウンドが愉しめるゾーンをキープすると、その速さはまさに爆発的。何しろ0-100km/h加速タイムが4.1秒だから、その速さはスーパーカー級。フル加速でも駆動力がしっかり路面に伝わるのは、さすがはクワトロ(4WD)だ。
ハンドリングはいわゆるオン・ザ・レール感覚が基本。ちなみにこうした走りのテイストは、『スポーツバック』と称されるハッチバックモデルでもほとんど同様だった。
※アウディRS3セダンは、日本において3月28日より受注開始。希望小売価格(消費税込み)は785万円で、発売は7月上旬開始予定と発表された。
RS3セダン主要諸元
全長:4479mm 全幅:1802mm 全高:1399mm(欧州仕様車)
ホイールベース:2631mm(欧州仕様車)
総排気量:2480cc
エンジン種類:直列5気筒DOHC インタークーラー付ターボチャージャー
最高出力:294kW(400PS)/5800-7000rpm
最大トルク:480Nm/1700-5850rpm
駆動方式:クワトロ(フルタイム4WD)
トランスミッション:7速Sトロニック
タイヤ:235/35R19
車両本体予定価格(税込):785万円