
2年に1度、ドイツで開催されるフランクフルト国際モーターショー(IAA)。VWやメルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディのお膝元であり、毎回ドイツメーカーは大規模なブース展開を行っている。また注目のニューモデルが多数ワールドプレミアされるのも魅力だ。
かつては東京モーターショーが「世界3大モーターショー」だった
華やかなコンセプトカーや新型車、美しいコンパニオン、凝った技術展示など、モーターショーは自動車業界きってのお祭りだ。
日本で開催される東京モーターショー、アメリカのデトロイトモーターショー、ドイツのフランクフルトモーターショー。かつては、この自動車産業のメッカが世界三大モーターショーと呼ばれた。
しかし、時代はうつろうもの。いつしか、その3つにフランス開催のパリサロンとスイスのジュネーブショーをあわせて5大ショーと呼ばれるようになる。
ところが時代の波は激しく、そして冷酷だ。残念ながら東京は、国際的なポジションを大きく落とした。長引く不況などで水平飛行を続ける間に、いつのまにかイケイケどんどんの成長株にポジションを奪われたのだ。成長株とは、世界最大の市場に成長した中国。いまや北京と上海(毎年交互に開催される)のショーは、規模の面では世界一になった。感覚的には東京の2倍以上。サイズだけならフランクフルトもパリも届かない。世界中の自動車メーカーが参戦する激戦区だけあって、ショーの重要度も最高潮に高まっているのだ。
凋落は東京だけでない。デトロイトも同様だ。そうしたこともあり、現在のトップクラスの国際モーターショーといえば、フランクフルト、パリ、北京/上海。
東京、デトロイト、ジュネーブは、その次のランクという扱いに。
「展示即売会」の自動車ショーもある
そうした自動車先進国以外でもモーターショーは活発に開催されている。自動車メーカー不在の地は日本と違って、トレードショーの色合いが濃い。モーターショー=展示即売会なのだ。クルマの隣に立つ説明員はディーラーの営業マン。ブースの一画には銀行コーナーを儲けた商談コーナーもある。ユーザーは各社のクルマを見て触って比較して、その場でローンを組んで購入するというわけだ。インドネシアなどでは10日間のショー期間中に数万台規模でクルマが売れるとか。売る方も買う方も必死。それはそれで盛り上がること間違いなしというわけなのだ。

インドネシア・ジャカルタで開催されるモーターショーは、トレードショーの色合いが濃い。

インドネシアのジャカルタモーターショー。ブースの一角には熱心に商談する姿も見受けられる。