スポーツをしているとわかるが、年齢を重ねるとどうしたって体力も落ち、若いころと同じようには行かないのが常識。それはクルマの運転も同じかもしれない。でも、オッサン/オバチャンになってもずっと運転をしていたい。どうすれば、歳を取っても上手く運転ができるのだろうか? モータージャーナリスト&レーシングドライバーの松田秀士氏に聞いた。
画像: 松田秀士氏が主催する「スローエイジング・ドライビングレッスン(SLADL)」の様子。肩甲骨を伸ばす体操も、ドライブの疲労回復に繋がる。

松田秀士氏が主催する「スローエイジング・ドライビングレッスン(SLADL)」の様子。肩甲骨を伸ばす体操も、ドライブの疲労回復に繋がる。

画像: 筆者の松田秀士氏。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員のモータージャーナリストであり、いまなおレースシーンで活躍している。若々しいのでまったくそう見えないが、じつは1954年生まれの現在62歳。お孫さんもいる。

筆者の松田秀士氏。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員のモータージャーナリストであり、いまなおレースシーンで活躍している。若々しいのでまったくそう見えないが、じつは1954年生まれの現在62歳。お孫さんもいる。

高齢者が移動の自由を満喫するために

高齢者の事故が取り沙汰されて、世の中は免許返納を推奨し、あたかも高齢者の義務のような世相になってきている。そのうち、免許を持ち続ける老人を軽蔑するようになるのだろうか?

ボクはこれまで日本を支えてきた高齢者に、せめて「いつでも、どこにでも」という移動の自由を満喫してもらいたく、スローエイジング・ドライビングレッスン(SLADL)という講習会を開催している。転地効果(温泉旅行などが良い例)によって脳内活性ホルモンを量産し加齢の速度を落とし、しっかり歩き、いつかPPK(ピンピンころり)で極楽往生していただきたい。だから、頑張って安全に運転できる自分でいましょう!と推奨しているのだ。

遅咲きのレーサーだから実践した数々

ボクは28歳でプロレーサーを目指した遅咲き。だから、長く働いて稼ぎたい。しかも、ライバルはボクよりずっと若い連中。年齢を重ねるうちに、どんどんライバルは若年化する。これに打ち勝って、自分のシートを確保して次の契約にこぎつける。
ボクは働き続けるためにさまざまなことをトライした。その集大成がSLADLだ。

まず、加齢とともに起きることが筋肉の減少。トレーニングしないとどんどん減る。筋肉量が下がると代謝が落ち、体温が下がり免疫が落ちる。だから、最低限の体操はしたい。でも、ほとんどの人は、たいして何もしないでいる。そして、身体を支える体幹筋が落ちているのに、それに気づかず、若い頃のままのドライビングポジションで運転している。ブレーキとアクセルの踏み違いが起きても不思議ではないよね。

ドラポジは運転するたびチェックすること

ドラポジは、運転する都度チェックしたい。ボクは、F3000やインディーカーをドライブするとき、走るたびにシートに手を入れて調整していた。ドラポジには神経質でいてほしい。

簡単に、なにをすればよいか挙げておく。体幹筋(インナーマッスル)を鍛えよう。体幹筋とは、身体の胴体部分の筋肉のことだ。さらに、股関節を毎日しっかりストレッチする。部屋にいるときは、顔を固定して眼だけを動かして周囲を見よう。眼筋をストレッチするのだ。股関節のストレッチは、踏み違い防止にも効果的だ。

血流を良くし、肩甲骨を動かす

歳を取ると、疲労の回復が遅くなる。世界の24時間レースを戦ってきて、いかに早く回復させるか?これが重要だった。

ロングドライブで疲れて休む時は、ちょっと行儀が悪いけど、脚をダッシュボードなどに高く上げて、下半身に溜まった血液を身体に流通させよう。そして歩く。肩甲骨も動かそう。

これらのこと、そのうち本を出します。そしてSLADLをもっと開催する予定です。

画像: 松田秀士氏の若いころの写真。これは1984年のシティターボ・ブルドッグレースのワンシーン。

松田秀士氏の若いころの写真。これは1984年のシティターボ・ブルドッグレースのワンシーン。

画像: こちらは1984年、F3で優勝したときのワンカット。

こちらは1984年、F3で優勝したときのワンカット。

画像: 若いころからさまざまなことにトライした秀士さん。そうしたことがスローエイジング・ドライビングレッスンの講習会で学ぶことができる。

若いころからさまざまなことにトライした秀士さん。そうしたことがスローエイジング・ドライビングレッスンの講習会で学ぶことができる。

This article is a sponsored article by
''.