販売台数2万台を超える人気の秘密とは
2015年1月にイタリアとアメリカのブランドが集結して誕生した「FCA」が世界的に大きな成功を収めている。日本市場においても、2016年の国内新規登録台数が過去最高を記録、5ブランドの合計でついに2万台を超える2万393台(アバルト124スパイダー含む)を達成した。
その好調の要因として、フィアット500/500X、アバルト595/124スパイダー、ジープ レネゲードなどの人気があげられるが、アルファロメオ ジュリエッタ/ミト、ジープ ラングラーなどの根強い人気も見逃せないところだ。
FCAとは「フィアット クライスラー オートモビルズ」の略で、5つのブランドはそれぞれがイタリアとアメリカを代表する、長い歴史と伝統を持つ世界的なメーカーだけに、設立当時はうまくリンクしていくのかという心配の声もあったが、「ドライビングへの情熱と歓び」という共通点のもと、市場の状況に応じて、5つのブランドの車種構成をアレンジして魅力を高めている。それぞれの強い個性ゆえ、一見相容れないように思われるが、メカニズムの根幹部分には共通点も見受けられ、「FCA」として集結したからこそ実現した価値や魅力もあるのだ。
また、より身近で魅力的なブランドになるべく、ニューモデルの導入だけでなく、ブランドそのものの強化やディーラー網の整備や拡充を図っていることも大きなポイントだろう。
ジープとアルファロメオのロゴを新しいデザインに変更するとともに、最新のCIを導入したこともそのひとつの表れ。フィアット正規ディーラーでのアバルト車の販売開始や急ピッチで進められるジープ正規ディーラーの充実など、2017年もFCAジャパンはさらに飛躍を遂げそうな雰囲気にあふれている。FCAジャパンは「2019年までに年間販売台数3万台を目指す」としているが、それも現実味を帯びてきている。(文:松本雅弘[本誌])