2年の雌伏期間を経て世界水準の性能で復活
2000年にZ32の生産・販売が終了し、新型の開発も凍結された。Z消滅かと思われたが、ゴーンCEOの号令一下、開発を再開。2年のブランクを経て登場したのがZ33だ。

凝縮感のあるボディデザインは、V6エンジンに特化したパッケージング「FMパッケージ」によるもの。
凝縮感のある低重心ボディはCd値0.30&フロントゼロリフト(標準車)というクラストップの空力性能を実現。これにフロントミッドシップのFMパッケージ(前後重量配分53:47)、高剛性新ボディ構造、前後異サイズのポテンザRE040、ホイールベースの中央付近に乗員を配置したスポーツドライビングポジションなどの要素を加えた新FRスポーツパッケージで、21世紀のスポーツカーの理想像を追求した。
エンジンは当初280psのVQ35DEでスタートしたが、発表時の「Zは毎年進化する」の言葉を裏付けるように、05年のマイナーチェンジで294ps(6速MT)にパワーアップ。07年の一部改良でVQ 35HR(313ps)に換装と目まぐるしく進化していく。ただ、プラットフォームとエンジンをスカイラインと共用する制約があったため、性能的には世界水準に達していたが、スポーツフィールではその点でピュアなポルシェに及ばなかったのが惜しまれる。

当初280psで登場したVQ35DEエンジンは、2005年1月のマイナーチェンジで294psに出力を向上。さらに2007年にはVQ35HRエンジンに換装されて313psに進化した。
04年~08年にかけてニスモが手がけたスペシャルモデルが発売され、市販モデルではやり切れない味付けを次々と提案していったのも、そんな背景があったからかもしれない。

レース用ホモロゲーションモデルとして2004年にわずか7台が市販された「TypeE」。