ハイエンドグレードのモデルとかわらない安全装備を搭載
2017年2月に発表されたボルボ V40のベーシックグレード、T2キネティック(299万円)で走り出してみると、私が期待していたとおりのフラットな走り心地を味わわせてくれた。エンジンは1.5L直4ターボを搭載し、これはT3と共通する。ただ、パワーが異なりT3で152ps/250Nmなのに対して、T2では122ps/220Nmと若干絞られている。しかし、最大トルクが1600-3500rpmという低回転域から発生させられることによって、街中や高速道路での走行は想像以上にスムーズだ。
ワインディングに入っても車両重量1480kgというボディを軽やかに、ひらりひらりとコーナーを走り抜けることができた。さらに、JC08モード燃費が17.1km/L(T3は16.5km/L)に向上していることも嬉しいポイントのひとつ。ちなみに、今回の試乗での実燃費は12.6km/Lだった。
「クルマは人によって運転される。したがって、設計の基本は常に安全でなければならない」という創業者の理念のもとにクルマが設計され、さらに「ビジョン2020」と銘打って、「2020年までに新しいボルボ車での死亡者と重傷者をゼロにする」ことを目標に掲げているボルボは、安全や運転支援の装備をすべての車種に搭載している。
もちろんこのT2も例外ではなく高速道路や渋滞時に便利な、先行車両に追従するアダプティブクルーズコントロールや隣の車線後方の死角にいるクルマを検知してくれるブラインドスポットインフォメーションシステム、レーンキーピングエイドなど11種類以上の先進運転支援システムの総称「インテリセーフ」を標準で装備する。さらに、頭部側面衝撃吸収エアバッグや追突による後方からの衝撃を吸収してくれるフロントシート、WHIPSなど多くの安全装備も搭載しているのである。
こういった装備はV40全グレードに共通だ。ハイエンドグレードはもちろんのこと、ベーシックグレードだろうと安全技術をすべて搭載する。このボルボらしさに感服である。