最近の国内市場を見ると、Dセグメントセダンの不振には目を覆いたくなるほど。かつてのビッグネームもいまや青息吐息の状態だ。ホンダのアコードとて、例外ではない。だが、北米では今もアコードはトヨタ・カムリと販売台数のトップを争う人気車種。それだけに、10代目となる新型アコードは、すべてを一新した気合いの入ったフルモデルチェンジとなるようだ。
最大の特徴は、V6エンジン搭載車を廃止、新たに2LのVTECターボを頂点にしたラインアップを構築するところ。この2Lエンジンは、新型シビックタイプRに搭載されるK20C型をベースに、アコードの車格に合わせてチューニングされたものだ。スペックは未公表ながら、アコードの性格やV6のリプレイスとなることから、最高出力を追求せず、ごく低回転域から十分なトルクを発生するセッティングであることは間違いない。さらに、このエンジンには前輪駆動車として初めて10速ATが組み合わされる。トルクフルなターボエンジと、コンパクトな10速ATの組み合わせで、従来のV6を超えるパフォーマンスを、より低燃費で実現するはずだ。
そして残るふたつのパワートレーンは、1.5L直噴ターボと2モーター式の新開発ハイブリッド。1.5Lは新型シビックと同じもので、CVTもしくは6速MTとの組み合わせ。ハイブリッドは2LのNAエンジンに新たなロジックを取り入れた2モーターシステムを採用する。
プラットフォームは、新型シビックから採用が始まった前ストラット、後ダブルウイッシュボーンの新世代軽量型。アコード・サイズに拡大するとともに、各部の剛性を最適化して上級セダンに相応しい乗り味を追求している。
北米での発売は今年の秋。だが、消息筋によると、次期アコードは日本市場から撤退する可能性が大とのこと。その代わりとして、従来のアコードのポジションを担うのが新型シビックとなりそうだ。