フェラーリ初のハイブリッドカー
1980年代の初めから今につながるスーパーカーの赤いラインがある。それはマラネッロによる特別限定生産モデルで、288GTOで始まり、F40、F50、エンツォ フェラーリへと続いている。そして、現在、この赤いラインを引き継いでいるのが「ラ フェラーリ」である。
2013年3月のジュネーブオートサロンで初公開されたラ フェラーリは、最高出力800psの12気筒エンジンと120kWのモーターを組み合わせた、フェラーリ初のハイブリッドカーである。F1で培われたエネルギー回生システム“KERS”をロードカー向けにアレンジした“HY-KERS”を搭載し、システム出力はなんと963psに達するというから驚く他はない。
これほどの超スーパーカーになると、もはや開発ドライバーを務められるのは現役F1ドライバーしかいないようで、フェルナンド・アロンソとフェリッペ・マッサが様々な提言をしたという。マラネッロはこうしたF1から市販ロードカーへの技術移転は「跳ね馬の歴史的な優位性のひとつ」であると言っている。
この超スーパーカーは499台が限定販売され、その後、イタリアで発生した地震のチャリティのために500台目が生産されてオークションにかけられた。また、ラ フェラーリのスパイダーモデルである“ラ フェラーリ アペルタ”がフェラーリ70周年記念モデルとして、2016年9月のパリオートサロンで発表されている。
なお、ラ フェラーリの販売価格は日本円で1億6000万円ほどと伝えられるが、そもそもどういう方法で購入希望者に割り当てられたかがわかっていない。そのあたりがベールに包まれているということも、いかにもフェラーリの特別限定生産モデルであり、またいっそう価値が高まる所以と言っていいだろう。