ハイブリッド(HV)はよく見かけるし、言葉としてもよく聞く。EVもそう、電気自動車だってことは知っている。じゃ、PHVや燃料電池車などはどうだろうか。さまざまな次世代エコカー、それらはどんな違いがあるのだろうか。モータージャーナリストの片岡英明氏が解説する。
画像: 1997年12月「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーで登場した初代プリウス。ここから日本ではHVの流行が始まった。

1997年12月「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーで登場した初代プリウス。ここから日本ではHVの流行が始まった。

内燃機関+モーター=ハイブリッド

21世紀、排出ガス規制と燃費規制は年を追うごとに厳しさを増し、企業平均燃費規制も制定されたから、電動化は避けて通れなくなっている。そこで登場したのが、エンジン(内燃機関)と電動モーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)だ。

 シンプルな構成のHVシステムの代表はパラレル式で、エンジンとモーターの両方を動力として走行に使う。エンジンが主役だが、モーターでアシストを行うし、必要に応じて減速時はエネルギー回生も行う。ふたつの動力源を同時に使ったり、使い分けたりすることも可能だ。ただし、回生で得られた電力しか使えないため、アシストに使用できる電力は少ない。

エンジンで発電機を回して発電を行い、その動力でモーターを回して走行するのがシリーズ式HVだ。ノートe-POWERもこの仲間である。

エンジンは発電するだけで、走行には使用しない。ブレーキングすると回生を行い、電力をバッテリーに蓄えるから、街中の走りだと燃費がいい。だが、クルージングが続くと電力が足りなくなり、燃費が一気に落ち込む。

パラレル式とシリーズ式を併用して効率を高めたのが、トヨタのTHSⅡだ。これはプリウスなどトヨタ/レクサスのハイブリッドモデルに使われる。

エンジンとモーター、ミッションとデフが動力分配機構で連結され、発電機を積んでいるから、発電やエネルギー回生も行うこともできる。2輪駆動に加え、電動モーターの4WDも登場した。

ハイブリッド+充電可能=PHV

HVシステムに充電ポートを追加し、バッテリーを大きくして家庭などで充電できるようにしたのがプラグインハイブリッド(PHV)だ。駐車中に充電を行うから、発電にエンジンの力を使う機会が大幅に減る。燃費は向上するからHV車より環境に優しいのだ。

PHVは1充電で50km前後の距離をモーター走行できる。アウトランダーとプリウスは家庭の電源だけでなく急速充電器も使え、便利だ。アウトランダーは4WDだけの設定で、パドルシフトを使ってエネルギー回生を自在にコントロールできる。

FCVやソーラーカーもEVの仲間

PHVの先にあるのが、電気自動車と呼ばれているEVだ。

電気をエネルギー源とし、電動モーターで走行するクルマのことで、燃料電池自動車(FCV)やソーラーカーもEVの仲間である。CO2などの有害物質をまったく出さないし、快適性も高い。だが、現状では充電時間が長く、航続距離も短いのが弱点だ。しかし最近では、バッテリーの効率が一気に高められ、次期リーフは航続距離を大きく伸ばしているという。

画像: 2014年に発売された燃料電池車(FCV)MIRAIも、EVにカテゴライズされる。HV/PHV/EV/FCV、その他…。近未来の自動車の主力はどのようになるのだろうか。。

2014年に発売された燃料電池車(FCV)MIRAIも、EVにカテゴライズされる。HV/PHV/EV/FCV、その他…。近未来の自動車の主力はどのようになるのだろうか。。

This article is a sponsored article by
''.