右左折待ちをしていると、前車と自車のウインカー点滅間隔が違うことに気がつく。メーカーが異なるのであれば納得できるが、同じ車種でもこの現象を確認できる。どうしてこんなことが起きるのか、またその意図はあるのか鈴木ケンイチ氏に聞いてみた。

保安基準に適合している点滅速度であればOK

ウインカーの点滅速度は同じように見えて、クルマごとに微妙に異なっている。では、その理由は? ということで、今回はヘッドライト類を製造するサプライヤーに質問を投げかけてみた。

質問に答えてくれたのは、株式会社小糸製作所。1915年の創業から100年を超える日本を代表する自動車用照明器メーカーだ。

まず前提として「ウインカー(ランプ)は、保安基準に準拠した仕様(明るさや定格など)で製造されています」というのが広報部からの回答であった。つまり、ウインカーの点滅速度は国によってルールが定められ、それに則って点滅速度が決まっているというわけだ。

「自動車用灯火器に関する保安基準では“方向指示器は毎分60回以上、120回以下の一定の周期で点滅するものでなければならない”と定められています」という。そのルール内でウインカーは点滅しているというわけ。

なるほど、よく考えてみれば、あまりに点滅速度が早すぎたり、遅いクルマは存在しない。それは、こうしたルールが存在しているのが理由なのだ。逆に考えれば、60〜120回の間なら、何回でもいいということでもある。

画像: ウインカーの点滅速度が先行車と微妙に違うことに気がつく。同じ車種、同じグレードでも異なる要因は主にバッテリーの状態だ。

ウインカーの点滅速度が先行車と微妙に違うことに気がつく。同じ車種、同じグレードでも異なる要因は主にバッテリーの状態だ。

でも、同じ車種でもウインカーの点滅速度が異なるのはなぜ?と聞けば、「点滅速度の制御は、カーメーカー(車両側)にて設定しているため、車両によって差異が出てきているものと思われます」という。

確かにウインカーの点滅は、ウインカーではなく電気を供給するクルマが制御するのは当然。回数が厳密に定められていないのであれば、高度な電気回路を使って、正確無比に点滅速度をコントロールするより、シンプルな電気回路にしてコストダウンしたほうがいいのが道理だ。そしてシンプルな電気回路であれば、電圧や電流の変化で点滅スピードがゆれるのも、いたしかたないということだろう。

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