先代よりもグッとオトナっぽく変身!
1990年代のパジェロに代表されるRVブームに始まり、最近ではプレミアムSUVにコンパクト、クロスオーバーなどいろいろな冠が被せられつつ、ついにスーパーカーブランドも参入するほど、SUVブームは現在もなお続いております。
そんな中、着実にシェアを伸ばしているのが伝統あるジープファミリー。日本でも最近は年間販売台数が1万台に届く勢いで、人気が加速しています。
今回フルモデルチェンジされたコンパスは、ファミリーの中での位置づけ的には、いちばん弟分であるレネゲードの、ひとつ上のお兄さん的存在です。
そのレネゲードが誕生したおかげで、今回はグッと大人っぽい方向にベクトルを振ったようです。佇まいとしては、ベイビー・グランドチェロキーと言ってもいいくらい。7スロットグリルや台形のホイールアーチなどジープの伝統的なモチーフを取り入れつつ、でも大きく見えないようにスリム感を持たせたデザイン。ボディサイズ的にも街中ニーズをにらんで、都会にも似合う質の高いデザインに仕上げられています。
でも一歩中に入れば、意外にスパルタン。全体テーマは台形だけど、ボクシングのヘッドギアをイメージしたセンタークラスターなど、都会での冒険がイメージされているんだとか。
まぁ、その冒険心が満たされるのは運動性能というわけですが、アプローチアングル17度、デパーチャーアングル32度、クリアランス178mmという、どこでも安心なディメンジョンを誇りつつ、特にFFモデルは軽快感たっぷり。こんなに大きなボディを動かしているんだという感覚がなくなってしまうほど、気負いなく乗れちゃう感じです。
コーナリング性能なども予想以上に安定しているので、いわゆる普通の使い方ならばFFでもまったく問題なし。静粛性もなかなかですし、見切りもいいので、乗り降りがおっくうになりそうなチョイ乗りが多い女性の日常使いにも、けっこう応えられると言っていいでしょう。
でも私の場合、やっぱりジープは4WD!って思ってしまっう世代でして…(笑)。しかも、この4WDはさすがに安定感抜群で、適度な重厚感も加わって、やっぱりジープだよね~という雰囲気が味わえます。
入門編からハード編までズラリと揃うジープファミリー。今年は新型ラングラーも登場しますから、ますますジープ熱が高まりそうですね。
(文:竹岡 圭 写真:井上雅行)
ジープ・コンパス ロンジチュード 主要諸元
全長×全幅×全高:4400×1810×1640mm
ホイールベース:2635mm
重量:1490kg
パワーユニット:直4DOHC・2359cc
最高出力:129kW<175ps>/6400rpm
最大トルク:229Nm<23.4kgm>/3900rpm
ミッション:6速AT
JC08モード燃費:11.9km/L
タイヤ:225/60R17
価格:351万円(税込)