三菱・アクティブギアシリーズ第3弾
11月16日から販売が開始されたRVRアクティブギアは、第1弾デリカD:5、第2弾アウトランダーに続くアクティブギアシリーズ第3弾。アクセントカラーとしてオレンジ色が配される手法は共通で、「猫耳」のようなオレンジドアミラーや専用デカールなど、ひと目でアクティブギアと分かるエクステリアになっている。
試乗車は、アクティブギア専用装備に加え、オレンジ色のリアアンダーガーニッシュや大型テールゲートスポイラー、アルミホイールデカールなど専用のオリジナルパーツを組み合わせた専用パッケージオプション、「アクティブギアコンプリートパッケージ(11万5841円)」の装着車。だから、見た目にもより「道具感」が強調されているのがわかる。
多くのマイチェン/一部改良で熟成されたRVR
現行の3代目RVRが登場したのは2010年2月のことだから、発売開始から8年近くが経っているコンパクトSUVだ。その間、3度のマイナーチェンジや数多くの一部改良、そして特別仕様車の追加設定などを行い、時代に合わせた商品力の向上に努めてきた。
じつはこの10月に行われた一部改良でも、RVRは魅力をアップさせてきた。内外装のデザイン変更もそうだが、いちばん大きい改良は「e-Assist(eアシスト)」の搭載だ。
eアシストとは、三菱のいう予防安全技術の総称。RVRには●衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM) ●車線逸脱警報(LDW) ●オートハイビーム(AHB)が設定される。もちろんこのRVRアクティブギアにも標準設定。ここ最近では新車購入時のマストな装備になりつつあるので、この搭載は嬉しいものだ。
スタートボタンを押しエンジン始動。走り出す。
1.8L自然吸気の4J10型SOHC4気筒エンジンは、139ps/172Nmの出力/トルクを発生。それほどパワフルとは言えないものの、街乗りレベルでは必要にして十分。自然吸気エンジンなので、アクセルの踏み込みに対して素直な盛り上がりがあるのも好印象だ。高速走行域での再加速は、ちょっともどかしさを感じたが、おおむね満足のいくレベルだった。
トランスミッションはINVECS-Ⅲと呼ばれる6速スポーツモード付きCVT。これがかなり良いフィールで、CVTにありがちな「滑り感」を感じさせないもの。それでいてCVTらしく、変速ショックのない加速感も味わえる。
ステアリングコラム固定式の、パドルシフトによるスポーツモードの変速も節度がある。CVTのなかには、疑似的なシフトダウンを行うと、エンジン回転数のみが上がってぜんぜんエンジンブレーキがかからないものも多いが、このRVRはそんなこともなく、ATに近いフィーリングがあった。
三菱のSUVらしく、4WDモデルが選べるのも嬉しいところ。ECOモード/オートモード/ロックモードと、4WDのモードをボタンひとつで、走行中でも切り替えができるのは、兄貴分のアウトランダー同等だ。
じつはRVRに乗るのは久しぶりだったのだが、以前に乗ったときよりもボディ剛性が上がっている印象を受けた。また高速走行時の静粛性も確実に良くなっている。
まもなく、2018年3月には、アウトランダーとこのRVRの間に新モデル「エクリプスクロス」も登場する。三菱のSUVラインアップがより充実したとき、正常進化したRVRにあらためて注目が集まる…そんな気がしてきた。
RVRアクティブギア(4WD・SDA装着車)主要諸元
●サイズ=4365×1770×1630mm ●ホイールベース=2670mm ●車両重量=1430kg ●エンジン=直4SOHC 1798cc ●エンジン最高出力=139ps/6000rpm ●エンジン最大トルク=172Nm/4200rpm ●トランスミッション=CVT ●駆動方式=4WD ●275万7240円
※ACTIVE GEARコンプリートパッケージ(ディーラーオプション)装着車。車両とのセット価格は287万3081円(消費税込)[内訳:車両本体275万7240円+ACTIVE GEARコンプリートパッケージ11万5841円<本体10万0872円、参考取付工賃1万4969円>