2017-2018年末年始の特別企画「クラウンの系譜」をお届けします。2018年は15代目となるニューモデルが登場する予定のクラウン。これだけ長い期間にわたってユーザーから支持を集める理由はどこにあるのでしょうか。今回、2003年に登場した12代目を取り上げたところで、この短期連載は終了とさせていただきます。
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12代目となるGRS180系は“ゼロクラウン”と銘打って、原点に返って開発された。
“ゼロクラウン”というコピーがすべてを語る
原点に立ち返って開発されたのが12代目クラウンだ。その開発ポリシーは“ゼロクラウン”というキャッチコピーで表現された。
具体的には先代のアスリート人気を受けて、走りの復権が大きなテーマとなった。そしてロイヤルとアスリートの構成はそのままにハンドリング面を大幅に改良した。
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マジェスタもアグレッシブなスタイリングになった。
それに寄与したのがクラウン初となるD-4版V6エンジンの採用だった。デュアルVVT-iを組み合わせ、3Lの3GR-FSE型は256ps、2.5Lの4GR-FSE型は215psの最高出力を発揮した。
さらにATはシーケンシャルシフトマチックと呼ぶ5速のスーパーECTを用意。サスペンションはフロントに新開発のダブルウイッシュボーン、リアにマルチリンクを採用した。
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トヨタ博物館が所蔵するGRS182型 クラウンロイヤル(2003年)、全長×全幅×全高:4840×1780×1470mm、ホイールベース:2850mm、車両重量:1610kg、エンジン型式:V6DOHC、排気量:2994cc、最高出力:256ps/6200rpm。
2005年にはアスリートの3Lが最高出力315psの3.5Lに換装されて、その走りの良さに磨きがかかった。このゼロクラウンで従来からのイメージは大きく変わったと言っていいだろう。(12代目GRS180系 2003~2008年 生産台数:289,480台)