新V8エンジンで必要にして十分以上な動力性能
ベントレーのSUVモデル、ベンテイガは2015年秋に欧州デビュー、日本への導入は2016年から始まった。そして、最高レベルのステイタス性と圧倒的な高品質感、W12エンジンによるきわめてパワフルな走りなどで高い人気を集めてきた。
しかし、車両価格はそれなりで27,390,000円ということもあり、より購入しやすい、スポーティな仕様が求められていたことも事実だ。そして、そのニーズに応える形で「ベントレー ベンテイガ V8」が登場したわけだ。
新開発の4L V8エンジンはVバンクの内側にデュアルツインスクロールターボチャージャーを配置、最高出力は550ps、最大トルクは770Nmを誇る。W12エンジン(最高出力608ps、最大トルク900Nm)には及ばないものの、車両重量が140kgほど軽くなっていることと相まって、燃費はEU総合サイクルで8.8km/LとW12搭載車の7.6km/Lより15%以上いい数値だ。ちなみにメーカー発表による最高速は290km/h、0→100km/h加速は4.5秒となっている。
エクステリアはフロントグリルがブラックにされるなどスポーティに仕立てられている。ホイールは全11種類で、その中には新設計の22インチ5本スポークタイプもある。さらにベントレー史上最強のブレーキシステム、“カーボンセラミックブレーキ”がオプション設定された。フロント440mm径、リア370mm径のディスクで、10ピストンのブレーキキャリパーが装備される。その制動トルクは最大6000Nmになるというから凄い。
インテリアの仕様には新たに3つのオプションが加わった。そのひとつがベントレーとして初採用のハイグロスカーボンファイバーを使用したものだ。従来のカーボンファイバーは表面がマットな仕上げだったが、これはハイグロスでカーボンファイバー独特の編み目模様が目立つタイプだ。
その他、走りに関わる装備、安全・快適装備、インフォテインメントシステムなども充実の極み。これで20,000,000円を切る19,946,00円という戦略的な価格設定により、レンジローバーやポルシェカイエン、メルセデス・ベンツGLSなどとも競合することも出てくるはずだ。どれだけ販売を伸ばすことができるのか注目したい。