競技2日目、コース上の新雪がタナックとラトバラを襲う
ラリー・スウェーデンの2日目は選手権ランキングの1位から順にスタートしていくため、ランキング2位のタナックと3位のラトバラの出走もはやい順番だった。しかし、当日のコース上に新雪が降り積もり、2台は雪かき役を担うことに。これが大きく影響して順位を大きく落としてしまったのだ。これに対してランキング7位のラッピは、上位組によって慣らされたコースを進んで一時総合2位まで上り詰めるほど好スタートを見せた。しかし、途中雪壁への接触によりスローダウン、総合7位で2日目を終えた。(2日目の結果:ラッピ7位、ラトバラ8位、タナック9位)
3日目。この日も出走順で有利なラッピは、ラリー・スウェーデン初出場とは思えない安定した走りを見せて、好タイムを刻んだ。ひとつランクアップして総合6位につけた。しかし、出走順のはやかったタナックとラトバラの苦難はこの日も続いた。午前中こそ両名とも上位タイムを連発するも午後に状況は一転、ヒストリックカーの走行でできた轍に悪戦苦闘。さらに、タナックに至ってはスロー走行中の前走者を抜かそうとして接触、コースアウトにより大きくタイムロスしてしまった。(3日目の結果:ラッピ6位、ラトバラ7位、タナック9位)。FIAの公式動画に接触の場面が映されていた。
最終4日目の出走は選手権ランキングの下位からはじまる。それでも、2・3日目で好成績を残したラッピはこの日も好調。SS19でトップタイムを記録するなど、トップとのタイム差を前日より20秒も縮めて4位にランクアップした。表彰台こそ届かなかったものの初のスウェーデン・ラリーで好成績をおさめ、「自分にこれほどスピードがあるとは思っていなかったので、来年このラリーに戻ってくるのが本当に楽しみです」とコメント。手応えを感じたようだ。さて、ラトバラとタナックもこの日は順調に走行していたものの、ランクアップとはならなかった。(最終結果は下の画像参照)
総合優勝を飾ったのはベルギー出身のティエリー・ヌービル(ヒュンダイ i20 クーペ WRC)だった。ラリー・スウェーデンで北欧出身以外のドライバーが優勝したのは、なんと史上3人目だというから快挙だ。ちなみに、選手権ランキング1位だったセバスチャン・オジエ(フォード フィエスタ WRC)もタナックやラトバラ同様、新雪に悩まされて第2戦ではクラス最下位に沈んでしまった。
トミ・マキネン(チーム代表)のコメント
3本のSSをすべて制し、今日は良いパフォーマンスを示すことができました。ラリースウェーデンでは全体的にクルマもドライバーも良かったのですが、コースのコンディションは必ずしも公平とはいえませんでした。将来的に、すべてのドライバーが同じようなコンディションで走れるような施策がなされると良いですね。今日、エサペッカ(ラッピ)はとても速く、昨日よりもふたつ順位を上げ、パワーステージでもトップタイムを記録しました。金曜日にたった1度だけ小さなミスをしましたが、それさえなければ表彰台のもっとも高い位置を狙えたはずです。しかし、彼が初めて雪のラリーにWRカーで出場したことを忘れるべきではないですし、きっと来年にはもっと強くなっているでしょう。
エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #9号車)
パワーステージで勝ち、そして順位をふたつ上げることができました。チームがある程度の良い順位でラリーを終えることができて嬉しく思います。金曜日に起きてしまったことについては、もうそれほど残念に感じていません。全体としては力強い戦いができたと思います。自分にこれほどスピードがあるとは思っていなかったので、来年このラリーに戻ってくるのが本当に楽しみです。
次戦、WRC 2018の第3戦はメキシコを舞台として、3月8日〜11日に開催される。外気温は30℃を超えて最高標高は約2700m。高温で酸素も少なく、ドライバーとエンジンにとって過酷なステージとなる。