自然吸気エンジンを搭載し、サーキット走行を意識したポルシェ911 GT3。そのキャラクターをさらに高めた“911 GT3 RS”がドイツ本国を中心に発表され、ニュルブルクリンクでモータージャーナリストの河村康彦氏が試した。

エンジンの+20psだけじゃない。専用パーツで軽量化も図られた

モータースポーツ部門が開発し、レーシングモデル由来の自然吸気エンジンを搭載…そんな生い立ちから、数あるバリエーション中でも「もっともサーキットに近い911」と紹介したくなるのがGT3。それをベースにサーキット走行に特化したチューニングを施し、“公道走行可能なレーシングバージョン”と紹介できるほどハードコアな性格を強めたのが、ここに紹介する“RS”の文字が加えられた最新バリエーション、ポルシェ 911 GT3 RSだ。

画像: ポルシェ911 GT3 RSをニュルブルクリンクでドライブする、モータージャーナリストの河村康彦氏

ポルシェ911 GT3 RSをニュルブルクリンクでドライブする、モータージャーナリストの河村康彦氏

画像: パワーアップ、軽量化、空力の適正化などが図られたポルシェ911 GT3 RS。

パワーアップ、軽量化、空力の適正化などが図られたポルシェ911 GT3 RS。

リアフェンダーの張り出しが強い911ターボ用ボディを採用し、サイドインテークからのラムエア効果を向上。それに加えて吸排気系のリファインなどでプラス20psを獲得したのが、「量産モデル史上で最強の自然吸気ユニット」と謳われる4Lのエンジンだ。

さらに、なかば“コスト度外視”で軽量化と空力性能の向上を追及したことも特徴。より高く、より大型化されたリアウイングやフロントフェンダー上に開くベント、マグネシウム製のルーフやリアとリアサイドの軽量ガラス製ウインドーなどは、いずれも911 GT3 RSのみが採用。フード上の“NACAダクト”も、空気抵抗を増さずにブレーキに効率良く外気を導くための、ベース仕様にないアイテムだ。

テストドライブしたのは、ニュルブルクリンクのグランプリコース。アクセルをフルに踏み込むと、迫力のサウンドとともに、弾かれたように加速する。

レッドラインの9000rpmまで一瞬で吹け上がり、次のギアへと瞬時にバトンタッチされる様は、もはやそれ自体が快感。2WDながら抜群のトラクションが得られるのは、RRレイアウトの持ち主ならではだ。

さらに、こうしたシーンでもほとんどパドルに触れる必要のない7速DCTのプログラミングには感心するしかない。リアヘビーにもかかわらず安定感に富むのは、巧みなサスペンションセッティングだけでなく、ダウンフォースやリアステアリングの効果も大きい。

そんな生まれ故郷であるサーキットを「いつまでも走っていたい!」と、心底思わせられるスーパースポーツカーである。

ポルシェ911 GT3 RSの主要諸元(海外仕様)

●サイズ=4557×1880×1297mm ●ホイールベース=2453mm ●車両重量=1430kg ●エンジン=水平対向6気筒DOHC 3996cc ●最高出力=527ps/8250rpm ●最大トルク=470Nm/6000rpm ●駆動方式=RR

画像: ポルシェ911 GT3 RSの主要諸元(海外仕様)

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