「一度にこんなに多くのカングーを見たのは初めてです」
質問(以下Q)
こんにちは。カイエットさんは、カングージャンボリーは初めて参加されたということでしたが、どうでしたか?実際に参加されてみて。
フィリップ・カイエット氏(以下:P)
とっても驚いています。実際、こんな多くのカングーは見たことありません。工場では多くのカングーを見ますが、工場だと「早く出したい」の一心ですから(笑)
もちろん、写真やレポートではカングージャンボリーの様子を見ていたので知ってはいたのですが、実際に参加してみて、その情熱は強く感じました。カングーを持っているプライドが、オーナーからヒシヒシと感じられる。これは驚きました。写真で見ただけではわかりませんでした。
Q:
カングーは、他の日本車や、輸入車の中でもそんなに多い台数が販売されるわけではないんですが、このカングージャンボリーは「オーナーミーティング」としてはマツダ・ロードスターに続くくらい日本で1・2を争う規模なんです。これ、どう思います?
P :
オーナー同士、お互いコミュニケーションを取っていて、なんかカングーらしい感じがします。アイデアとしては、こういうミーティングがフランスや、その他世界中でできれば・・・なんて考えています。
またカングーがブランド化している気がします。カングーを持つ歓びが感じられますからね。じつはヨーロッパでもカングーはブランド化しているんです。
Q:
ブランド化? 商用車でも、ですか?
P:
そうですね。実はカングーオーナーは、ほとんどがまた次にカングーを購入していただけるんです。現行型は、2010年には10万台でしたが、2017年には17万台とまだ右肩上がりなんです。
「フランスの文化を感じるクルマだから人気があるのかもしれません」
Q:
日本でのこのカングー人気というのは、本国ではどう捉えているんですか?
P:
やはり「フランスの文化」を感じるクルマだから、これだけ人気なのかもしれませんね。手軽に、簡単に「移動ができる」クルマ。実用的で、それでいて乗り心地も走り味もしっかりしている・・・というところが好かれているのかもしれません。
日本市場は、全世界で17万台販売しているなかでの2000台なので、正直小さなマーケットではあるんですが、そのなかでギアボックスは複数用意してますし、カラーバリエーションも多彩です。この小さなボリュームなのにこういうことができる、というのは他の市場にも生きてくると思っています。
カングーに最近導入したデュアルクラッチ(注:=EDC)、あれは日本のリクエストだったんです。本国にもじつは用意がなかったんですよ。でもそれをヨーロッパでも導入したら、いまでは10%がEDCになりました。グローバル化のなかで、そういった双方向の関係性もこれから多くなると思います。
「カングー最大の魅力は、その実用性。そのDNAは続きます」
Q:
人気だった初代が2代目になって大きくなったとき、ボクらメディアは「絶対に売れなくなる」と思いました。それがフタを開けてみたらこの人気。じゃ、次期型カングーってどういう方向になるんでしょう? さらに大きくなったりするんですか?
ルノージャポン広報氏:
あ、すみません次期型の話はNGでお願いします(笑)。
P:
止められたので詳しいことは申し上げられませんが(笑)、一言「DNAは残る」ということです。
お客さまがカングーを購入していただけるいちばんの目的は「モノを運んでお客さまを運ぶ」ということなんですね。で、それには3㎥のスペースが適切だと考えています。現行型のカングーは、リアシートを倒すと3㎥になりますから、初代から現行型になったときのように、劇的に大きさが変わる、ということはありません。
お客さまのニーズは、実用的、ということです。カングーは実用的でなければいけません。あとは頑丈さ。そのために現行のカングーになりました。次期型は、いまのカングーを健全にしていく、ということです。
Q:
最後に、カングーファンにメッセージを
カングーはダイバーシティが豊富なクルマ(注:=多様性があるクルマ)なので1カングー=1お客さまなんです。まだユーザーではない人も、自分のカングーで自分なりの使い方をしていただけると嬉しいです。
ちなみに、今回のカングージャンボリーでは、カングーの中で「エステ」をやっている方がいました。まさに1カングー=1お客さま、ですね。私もやってもらえば良かったな・・・と(笑)