三者三様の走行フィール
クラウンと言うと長く乗り続けているユーザーが多く、モデルチェンジのたびにカタログなどは見ずに“いちばん高いのを持って来い”とばかりに何のためらいもなく購入する人がいるという話はよく耳にする。
それだけクラウンというクルマ、ブランドが信頼されているわけだが、今回ばかりはそれは“ちょっと待った”方がいい。と言うのも新型クラウンには3種類のパワートレーンが用意されるが、それぞれかなり個性が異なるからだ。
2.0ターボ、2.5ハイブリッド、3.5ハイブリッドは三者三様の走行フィールを持っている。プロトタイプ試乗会での印象だが、2.0ターボは従来のアスリート直系と言える。プラットフォームが新しくなったことで、その爽快な走りに磨きがかかった。
2.5ハイブリッドはカムリのFF横置きエンジンハイブリッドをFR縦置きハイブリッドにしたもので、従来のロイヤル系の走行フィールにイチバン近い印象を受けた。これこそ伝統的なクラウンの走りを引き継ぐものだ。
そして、3.5ハイブリッドは基本的にレクサスLC、レクサスLSと同じ最新のマルチステージハイブリッドシステムを持つ。シーケンシャルシフトマチック(10段)で、これまでのハイブリッドにはないリニアリティがあり、絶対的な運動性能から環境性能まで総合力に優れている。
さて“一番高いのを持って来い”となると、この3.5ハイブリッドになるはず(価格や詳細は6月26日発表)だが、これは従来のクラウンにはなかった性格を持つニューフェイスである。
もちろんこの新しいタイプのクラウンもいいが、そのことを理解した上で選択したいものだ。もし、あなたが従来のアスリートの進化形が欲しいのならは2.0ターボがオススメだし、ロイヤル系の持ち味こそクラウンと思っているのならば2.5ハイブリッドがベストだ。
車両価格は未発表なので“一番高い”のは何かわからないが、新型クラウンを購入対象と考えているのならば、3つのパワートレーンの持ち味の違いをしっかりと頭に入れておいた方がいい。