クール&スポーティに顔つきを一新!
このフィット、Modulo(モデューロ)のネーミングが与えられているが、Modulo Xのように足回りなどをチューンしたモデルではない。「デザインの上質さに磨きをかけた新たなコンプリートカー」だという。
ベース車両はハイブリッド・Lと13G・L。今回の試乗車は前者をベースにしている。
まずは、主な特徴を紹介していこう。
何といっても目につくのは、専用デザインのグリルとバンパーを与えられたフロントマスク。大開口のフロントグリルにはオリジナルグラフィックのツヤ黒塗装メッシュを採用し、クロームパーツをふんだんに使ってエッジの効いたプレミアム感を演出している。
バンパーには5連タイプの専用LEDフォグランプも装着されるが、できればこれはデイタイムランニングライトにして欲しかったところ。常時点灯にすれば日中の安全度も高まるし、よりプレミアムでヨーロッパ車的な雰囲気になったのだが…。
アルミホイールも専用デザインの15インチを装着する。
インテリアでは、本革巻ステアリングホイールとステンレス製スポーツペダルがエクステリア同様にプレミアム感を増幅している。
街中で数多く見かけるフィットだが、このModuloスタイルに乗っていると街中でも「オヤ?」と凝視していく人が多い。それだけ、この顔は個性的だ。大きくなったグリルで最近のホンダ車共通の顔つきになり、スポーティで少しオトナっぽい。
パワートレーンや足回りはノーマル車と変わらないから、走りっぷりも変わらない。
コンパクトなボディで、市街地でも高速でもキビキビ走ってくれる。しかも、ハイブリッドのシステムなどはデビュー当初から比べるとかなり熟成かつ洗練されたようで、走行中のエンジンON/OFF、DCTのシフトなどはかなりスムーズになっている。
安全運転支援システムのホンダセンシングも標準装備。ただし、ACC(アクティブクルーズコントロール)で走行中、車速が落ちてから復帰するときの加速が少しカッタるかったり、ACCは車速が約25km/h以下に落ちるとキャンセルされるから、渋滞追従機能が欲しいといった不満はあるが、日常の使用に差し障りがあるレベルではない。
10日間で773km試乗して、平均燃費は22.0km/L。走行比率は、市街地と高速&都市高速が半々。もちろん真夏なのでエアコンは入れっぱなし、エコランもしていない。
クラスは異なるが、同じような条件で試乗したカローラスポーツのハイブリッドが19.8km/L(256km走行)だったから、燃費に関しては不満ないレベルにあるだろう。
フィットModuloスタイルの価格は225万7200円。ベース車のLより約18万円高だが、あとからドレスアップすることを考えたら納得できるプライス。
フィットは好きだけど、同じクルマが多すぎるし、でも自分でカスタマイズするノウハウに自信がない…。そんな人にオススメしたい「おとなフィット」が、このModuloスタイルといえるだろう。
(文:篠原政明 写真:井上雅行)
フィット Moduloスタイル 主要諸元
●全長×全幅×全高:4005×1695×1525mm
●ホイールベース:2530mm
●重量:1150kg
●エンジン型式・種類・排気量:LEB・直4 DOHC・1496cc
●エンジン最高出力:81kW[110ps]/6000rpm
●エンジン最大トルク:134Nm[13.7kgm]/5000rpm
●モーター最高出力:22kW[29.5ps]/1313-2000rpm
●モーター最大トルク:160Nm[16.3kgm]/0-1313rpm
●JC08モード燃費:34.0km/L
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:185/60R15
●価格:228万9600円