欧州のスーパーカーがスゴいのは誰でも知っている。だが日本のメーカーも、日本人のためのスーパーカーを作るべく努力をしてきた。そんな歴史を振りかえる企画、今回は、日本のカロッツェリアが生み出したスーパーカー「童夢」だ。(ホリデーオート2018年11月号より)

レーシングコンストラクターが世に問う寸前まで行ったが…。

レース界で名を馳せていた日本のコンストラクター、童夢が1978年のジュネーブ・ショーで「童夢 零」(タイトル写真奥のシルバーのクルマ)を発表した。

ミッドに搭載されたエンジンは日産のL28型 直6SOHC。スーパーカーのエンジンとしてはスーパーとは言い難かったが、当時の国産エンジンとしては最強と言えるものだった。フレームはスチールモノコックでFRP製のボディを架装するという、当時では先進的な構造と言えた。

翌年の1979年、童夢 P-2が発表される。このモデルは零をベースに北米の保安基準に合わせて改良されたもので、バンパーの大型化やヘッドランプの高さ変更が行われた。

だが、童夢はル・マン24時間レース参戦のためレーシングカー製作に傾注することになり、P-2の市販化計画は立ち消えになってしまった。
(解説:飯嶋洋治)

■童夢 P-2主要諸元 
●全長×全幅×全高:4235×1775×990mm ●ホイールベース:2450mm ●重量:950kg ●エンジン型式・種類・排気量:L28E・直6 SOHC・2753cc ●最高出力:145ps/5200rpm ●最大トルク:23.0kgm/4000rpm ●トランスミッション:5速MT ●タイヤサイズ(前・後):185/60HR13・225/60HR14

画像: 写真はP-2だが、基本的なスタイリングは零とほとんど変わらない。

写真はP-2だが、基本的なスタイリングは零とほとんど変わらない。

画像: 全高は1mを切る990mmという低さ。シザーズドアも採用していた。

全高は1mを切る990mmという低さ。シザーズドアも採用していた。

画像: ステアリングのデザインも独特のインパネまわり。国産車初のデジタルメーターも採用していた。

ステアリングのデザインも独特のインパネまわり。国産車初のデジタルメーターも採用していた。

画像: L28型直6SOHCを縦置きミッドシップ搭載。ミッションはZF製の5速MT。

L28型直6SOHCを縦置きミッドシップ搭載。ミッションはZF製の5速MT。

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