神奈川県座間市にある日産ヘリテージコレクションには日産の歴史が詰まっているが、とくに1960年〜1980年代、その技術力と高性能を世界に知らしめるべく挑戦したモータースポーツでの活躍は必見だ。今回は1970年のサファリラリーを完全制覇し、なみいるヨーロッパ勢を震撼させた510型ブルーバードを紹介しよう。(Motor Magazine 2017年2月号より)

1970年のサファリラリーを完全制覇した510ブルーバード

日産は1963年からサファリラリーへの挑戦を始めた。サファリラリーは赤道直下のケニアを舞台に5000kmにわたって争われ、気温40度、標高差3200m、乾けば砂漠、雨が降れば泥沼と言う過酷なコースゆえ完走率が低く、カーブレイクラリーと呼ばれていた。

日産は1966年に410ブルーバードが初完走。総合5、6位になりクラス優勝を手にする。この活躍ぶりが後に石原裕次郎主演の映画「栄光の5000キロ」を生み出すこととなった。

1969年には510ブルーバードが総合3、5、7、8位、クラス優勝&チーム優勝。そしてついに1970年にはヘルマン/シュラー組の510ブルーバードが総合優勝を果たす。2、4、7位にもブルーバードが入り、日産初の海外ラリー優勝はクラス&チームも含めた完全制覇となったのだった。この勝利によって“ブルーバード=高性能”のイメージは国内にも定着した。

510ブルーバードのサファリラリー完全制覇は、フォード エスコート、プジョー 404、ポルシェ 911といったヨーロッパの強豪にとって屈辱的なことだったに違いない。

画像: サファリラリー挑戦8年目にして総合/クラス/チームという完全制覇をもたらした車両。1.6Lの直4SOHCエンジンはライバルより非力な130psながら、バランスの良さが光った。映画「栄光の5000キロ」では石原裕次郎が510のハンドルを握った。市販車の510ブルーバードは1967〜72年まで販売された。

サファリラリー挑戦8年目にして総合/クラス/チームという完全制覇をもたらした車両。1.6Lの直4SOHCエンジンはライバルより非力な130psながら、バランスの良さが光った。映画「栄光の5000キロ」では石原裕次郎が510のハンドルを握った。市販車の510ブルーバードは1967〜72年まで販売された。

日産 ブルーバード 1600SSS 1970年 サファリラリー仕様 主要諸元

●全長×全幅×全高=4070×1660×1405mm
●ホイールベース=2420mm
●エンジン=直列4気筒OHC(L16型)
●排気量=1595cc
●最高出力=130ps/6800rpm
●最大トルク=15.5kgm/4800rpm
●車両重量=965kg

日産ヘリテージコレクション

日産自動車の80年あまりの歴史を見ることができるスペース。新型車の開発、試作、設計製作を行う日産の生産技術の拠点である座間事業所内に併設され、1930年代の生産車から歴代のレースカーまで、日産のオンロード、オフロード両面の歴史を物語る車両など約400台の記念車を所蔵し、うち常時約300台を展示している。日産自動車の座間事業所内に併設されているということもあって、公式サイトから応募フォームにより事前申し込みが必要だが、入場料はなんと無料。アクセスはあまり良くないが、行ってみる価値ありだ。

画像1: 日産ヘリテージコレクション
画像2: 日産ヘリテージコレクション
画像3: 日産ヘリテージコレクション

●住所:神奈川県座間市広野台2-10-1 
●入館料:無料(応募フォームにより事前申し込みが必要)
●開館日:申し込みカレンダーにて確認 
●駐車場:あり
●問い合わせ先:☎046-298-4355(受付時間:月〜金10:00〜16:00※ただし12:30〜13:30は除く)http://nissan-heritage-collection.com/
●電車でのアクセス:小田急江ノ島線南林間駅から神奈川中央交通バス「日産」「相武台前駅」「小田急相模原駅」行、「ひばりヶ丘1丁目(または小松原)」下車、徒歩7分。または相鉄本線さがみ野駅から相鉄バス「南林間駅」行「ひばりが丘1丁目(または口機入口)下車、徒歩7分
●クルマでのアクセス:東名高速道路「横浜町田インター」から国道16号線を八王子方面へ。国道246号線を左折、東原4丁目交差点を右折、2つめの信号を左折、1つめの信号(正門前専用信号)前が座間事業所2地区正門、約30分

This article is a sponsored article by
''.